建設業許可の申請時に必要な書類!【全書類を徹底解説】

建設業許可の申請をお考えの皆様は、その申請書類の作成がどの程度の量と難易度になるか気になるかと思います。書類作成にあたってはその全体像をつかんでから作業に取り掛かる事が大切です。本記事では建設業許可申請に必要な書類を全て書式見本と共に紹介していきますので、これから申請を予定されている方はぜひ参考にしてみて下さい。

建設業許可の新規申請時の必要書類

建設業許可を申請する際に必要な書類は大きくわけて以下の3つがあります。

①専用の申請書類一式(様式)
②役所などが発行する公的証明書
③各種確認書類

これら①~③の書類を1セットとして、建設業許可の申請は行うことができます。①の申請書類によって申請者は役所に許可の申請を行い、役所はそこに記載されている内容を②と③の書類によってその真偽を確認するという流れになります。

専用の申請書類は20枚以上(全て解説します!)

建設業許可を申請するために作成しなければならない①の専用の申請書類一式は全部で20種類以上書式が用意されています。まずはそれら全てを1枚ずつみていくことにしましょう。なお書式見本には押印欄がありますが、2021年3月以降ほぼ全ての自治体で押印欄が廃止されております

それぞれ書類名をクリックで書き方の詳細ページに飛びます!

① 建設業許可申請書(様式第一号)

まずはこの書類で取りたい許可について申請を行います。また申請者は自社の情報をについて項目にしたがって記載します。
本書類は機械で読み込む書類なため、記号やマークによって記入する箇所が多く、慣れないと書き方が少しややこしい書類です。許可申請の肝になる書類ですのでしっかり書き方を理解した上で作成しましょう。

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② 役員等の一覧表(様式第一号別紙一)

許可申請者が法人の場合、その役員等を記入する一覧表です。役員等の範囲をしっかり理解して必要な人を抜け漏れなく記入しましょう(なお、申請者が個人の場合は不要な書類になります)。

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③ 営業所一覧表(様式第一号別紙二)

許可申請者の主たる営業所と従たる営業所を記入する一覧表です。営業所の定義は少しややこしいので、その点をきちんと理解した上で、書類の記入を進めるようにしましょう。

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④ 収入印紙等貼付用紙(様式第一号別紙三)

本書類は何かを記入する箇所は特になく、許可の申請手数料を収める際に購入した収入印紙を貼り付ける用紙です。多くの自治体は、申請手数料の支払いを収入印紙による方法を規定しており、手数料相当額の収入印紙を購入し、本書類に張って提出すれば支払いが完了します。なお、東京都などは現金による支払いを指定しており、よって本書類は使用しません

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⑤ 専任技術者一覧表(様式第一号別紙四)

本書類は営業所ごとに配置される専任技術者を記入する一覧表です。専任技術者は営業所に配置が義務付けられる、許可を取る為の条件のひとつですので、必ず営業所一覧表(第一号別紙二)で記入した営業所ごとに1人は指名し、一覧表に記入しなければいけません。

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⑥ 工事経歴書(様式第二号)

許可申請者の請け負ってきた工事の実績を記入します。公共工事に入札をしたいか(経営事項審査を申請するか)どうかで、記入が必要な工事の数が変わってきます。書き方に注意が必要な書類で作成難易度の高い書類のひとつです。

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⑦  直近3年の各事業年度における工事施工金額

許可申請者の直近3年間で完成させた施工工事の金額を記入します。先ほどの「⑥工事経歴書」と内容が一致していなければならない項目もあり、2つはセットで書き方を理解し作成するようにしましょう。また、完成工事の実績が無い場合も本書類は作成が必要です

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⑧ 使用人数(様式第四号)

各営業に従事する役員や従業員を、専任技術者やそれ以外の技術者、事務関係の従業員にわけて記入します。使用人という言葉で勘違いしがちですが、個人事業主や役員も記入が必要です。

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⑨ 誓約書(様式第六号)

申請業者の役員や個人事業主など、許可取得の条件のひとつである、欠格要件に該当しないことを誓約する書類です。書式に従って署名、押印するだけの書類ですが、提出後に欠格要件への該当などが明らかになるとペナルティを受ける可能性もあります。欠格要件についてしっかり理解した上で、不備や虚偽が絶対に発生しないよう注意して作成しましょう

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⑩ 経営業務の管理責任者証明書(様式第七号)

許可申請者が指名する「経営業務の管理責任者」がその要件を満たしていることを、証明者によって証明する書類です。経営経験を積んだ業者から証明をもらうケースがほとんどですので、場合によっては前職の会社に押印をもらうケースもあります。

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⑪ 経営業務の管理責任者の略歴書(様式第七号別紙一)

⑩で証明した経営業務の管理責任者の略歴を記入する書類です。内容が重複する項目は記載内容の不一致が無いよう注意しましょう。

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⑫ 専任技術者証明書(様式第八号)

各営業所に配置する専任技術者についての情報を記入します。本書類は数字やマークで記入する箇所が多く、特に数字で記入する項目は書き方のルールをしっかり理解した上で適切な数字を記入するよう注意しましょう。

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⑬ 実務経験証明書(様式第九号)

専任技術者を実務経験によって証明する場合に、その実務経験を記入する書類です。専任技術者を資格等で証明する場合は不要な書類になります。自治体によってその書き方のルールがかなり異なりますので注意が必要な書類です。

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⑭ 指導監督的実務経験証明書(様式第十号)

特定建設業許可を申請する場合に、専任技術者を実務経験によって証明する場合に、証明する指導監督的な実務経験を記入する書類です。一般建設業許可を申請する場合は不要な書類になります

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⑮ 令3条使用人の一覧表(様式第十一号)

営業所に配置する令3条使用人を記入する一覧表です。令3条使用人は、従たる営業所(支店や支社など)を設ける場合はそこに必ず配置しなければなりません。従たる営業所がない業者は不要な書類になります。

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⑯ 許可申請者の住所、生年月日に関する調書(様式第十二号)

許可申請者本人や役員に関する情報を記入する書類です。②で作成した「役員一覧表」に記入した人物について、1人1枚ずつ作成します。

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⑰ 令3条使用人の住所、生年月日に関する調書(様式第十三号)

従たる営業所に配置する令3条使用人に関する情報を記入する書類です。従たる営業所を設けない場合は不要な書類です(「⑮令3条使用人の一覧表」を作成した場合は、そこに記入した人物について1人1枚ずつ作成しまう)。

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⑱ 株主(出資者)調書(様式第十四号)

申請者の株主または出資者に関する情報を記入する書類です。申請者が法人の場合にのみ必要な書類です(申請者が個人の場合は不要)。

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⑲ 財務諸表一式(様式第十五号~第十九号)

「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「注記表」「付属明細書」を財務諸表一式として作成します。法人の場合は様式第十五号から第十七号の三を、個人の場合は様式第十八号と第十九号を使用します。建設業法で定める様式にしたがって作成する必要があり、一般的な決算や税務申告で使用する様式とは異なるため、それらを下記様式に転記し作り直す必要があります。

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⑳ 営業の沿革(様式第二十号)

申請業者の沿革を記入する書類です。

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㉑ 所属建設業者団体(様式第二十号の二)

申請者が所属している建設業者団体について記入する書類です。未加入の場合も無しと記入し提出します。

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㉒ 健康保険等の加入状況(様式二十号の三)

営業所ごとに社会保険の種類に応じて加入状況を記入する書類です。20年10月から建設業許可の取得条件に社会保険の加入が追加され、現在は様式第七号の三に番号が変わっています。

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㉔ 主要取引金融機関名(様式第二十号の四)

主に取引をしている金融機関について記入する書類です。金融機関の区分によって記入しますが、財産的基礎等を銀行の残高証明書によって証明する場合は、その銀行名を記入します。

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役所等が発行する公的証明書類

許可の申請時には、ここまで紹介した申請書類と一緒に、役所などが発行する公的証明書の提出が必要です。これらを提出する目的は主に許可の取る為の条件を見たいしていることを証明する為です。

原則必要になる書類は下記になります(場合によってはその他の書類を求められる可能性有り)。

証明書名称提出する目的入手窓口
登記されていいないことの証明書欠格要件に該当しない事の証明法務局(本局のみ)
身分(身元)証明書欠格要件に該当しない事の証明各市町村の役所
納税証明書所在地での営業実態の確認税務署

申請内容に応じて各種の確認書類が必要

申請する内容に関して、その内容に虚偽がないかを確認するため、確認書類を提出する必要があります。この確認書類の準備も、建設業許可申請の大変な作業のひとつです。

主な確認書類は下記になります。

※要注意
この確認書類については、各都道府県によって求められる書類が異なります。かなり細かく書類を求められる自治体もあれば、概要を確認できる程度の書類でOKな所もあり非常に様々です。申請先の手引きを必ず確認し、必要な書類を確認するところから始めましょう。

経営業務の管理責任者に関する確認書類

経営業務の管理責任者の証明となる「建設業の経営経験(5年以上)」を確認できる書類(確定申告書、工事の契約書、履歴事項全部証明書など)が必要です。あわせて経営業務の管理責任者に求められる常勤性を確認できる書類(健康保険被保険者証など)も必要です。

確認書類の例
・確定申告書の控え
・工事の契約書
・履歴事項全部証明書
・健康保険被保険者証

専任技術者に関する確認書類

専任技術者の証明となる「国家資格等」や「実務経験」を確認できる書類(資格証の写し、工事の契約書など)が必要です。あわせて専任技術者に求められる常勤性を確認できる書類(健康保険被保険者証など)も必要です。

確認書類の例
・国家資格証の写し
・工事の契約書
・学科の卒業証明書
・健康保険被保険者証

財産的基礎に関する確認書類

設業許可を取る為の条件に、500万円以上の資金力(財産的基礎)がありますが、その実態を確認する書類が必要です。

確認書類の例
・財務諸表
・確定申告書の控え
・銀行口座の残高証明書

営業所の実態に関する確認書類

営業所の実態を確認する為の書類も必要です。都道府県によって専用の書類を用意しているケースもあり、求められる確認書類は異なります。

確認書類の例
・不動産登記簿謄本
・賃貸借契約書

社会保険の加入状況に関する確認書類

社会保険の加入状況を確認できる書類も必要です。加入を確認される社会保険の種類は「健康保険」「厚生年金保険」「歌謡保険です」です。いずれも保険料の申告や納付の証明となるものを確認書類として提出します。

確認書類の例
・許可申請直前の保険料納付にかかる「領収書」や「領収済通知書」
・健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書
・労働保険概算・確定保険料申告書
・雇用保険被保険者資格取得等通知書

ここまで読んで申請が不安な方は…

ここまで読んで頂き、「こんな書類が沢山あるとは思ってなかった…」と不安になった方もおられると思います。

建設業許可の申請書類の作成は、初めてされる方には非常に負担の大きい作業になります。この許可申請を代行してもらう方法として、行政書士への代行依頼があげられます。行政書士は行政手続きの専門資格ですが、建設業許可申請を専門にされている方も多くおられます。当サイトを運用するイロドリ行政書士事務所も建設業許可申請を専門とする事務所で、申請代行サービスも対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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建設業許可の申請時に必要な書類についてまとめ

以上、ここまで建設業許可の申請時に必要な書類について紹介してきました。

建設業許可を取る為に必要な書類は、「申請書類」「公的証明書」「確認書類」の3つに分けられます。建設業許可を取る為には、多くの書類や資料を作成、収集しなければならず、本業をしながら行うには非常に大変な作業になります。

その為、許可申請のための時間をしっかり取れないような方は、行政書士への依頼も検討されると良いと思います。

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