建設業許可を取るために!必ず抑えておくべき許可の条件6つ!

「建設業許可を絶対に取りたい・・・!」

様々な事情で許可が必ず欲しい事業者様もおられると思います。
本記事では建設業許可を取る為に、絶対にクリアしなければならない、必須の条件6つについてわかりやすくご紹介します。

※2020年10月から施工される改正建設業法に則り記載した最新情報です

本記事のポイント


 許可を取るには6つの条件が満たす必要あり

 許可取得後に条件が欠けると取消の可能性

 一般建設業と特定建設業で条件が異なる


建設業許可の条件について

建設業許可を取るには、6つの条件を満たしている必要があります。
この条件を満たしていれば、許可は必ず取る事ができます。

建設業許可の取得条件(★は難易度)

①経営業務の管理能力(★★★)
②専任技術者    (★★★)
③誠実性      (★☆☆)
④財産的基礎等   (★☆☆)
⑤欠格要件     (★★☆)
⑥社会保険     (★☆☆)

本記事では、この6つについてひとつずつ詳細に解説していきます。

建設業許可の条件① 経営業務の管理能力

まず最初に最もハードルが高い「経営業務の管理能力」を紹介します。

建設業許可を取るには、法人であれば役員のうち1名以上が、個人事業であればその個人事業主か支配人が、以下のいずれかの経験を過去にしている必要があります。

①建設業者での会社役員、または個人事業主としての経験が5年以上ある
②建設業者での会社役員や個人事業主に準ずる地位として経営に関わった経験が5年以上ある
③建設業者での会社役員や個人事業主に準ずる地位として業務を補佐した経験が6年以上

実際は①を満たしていなければかなり厳しい

この条件は①~③のどれか1つでも満たしていればOKですが、②と③は「準ずる地位」の証明は難しく、実際は①で条件クリアを目指すケースがほとんどです。
この①をクリアするには、個人事業主や会社の社長(大きい会社の営業所長や支店長でも可)を5年以上している必要があり、多くの人がクリアできない最大難易度の条件となっています。

また、この経験が5年ではなく2年でも取れる仕組みが最近設けられましたが、こちらも極めてレアケースかつ証明が難しいのが現状です。

 経営業務の管理能力について詳しく知りたい
※レアケースも含めかなり詳しく解説しています

建設業許可の条件② 専任技術者

先ほどの経営業務の管理能力と同じくらいに難しい条件がこれからご紹介する「専任技術者」の条件です。

建設業者許可を取るには、各営業所に常勤で働く従業員のうち1人以上、以下の条件を満たしている必要があります。

①取りたい業種に関連する国家資格を持っている
②取りたい業種での実務経験が10年以上ある
※どちらかを満たしていればOK!

この条件を満たした人物のことを「専任技術者」といいます。
この専任技術者を条件に置く事で、その会社が一定の技術スキルを持つ事を担保する狙いがあります。
この条件は「各営業所に1人以上」なので、営業所が2つ以上あれば、専任技術者も2人以上必要になります。

 専任技術者について詳しく知りたい

認められる国家資格は決まっている

国家資格はなんでも良いわけではなく、国土交通省が定めている「専任技術者になり得る国家資格等一覧(外部ページ)」に記載がある資格のみが認められます。

非常に難関資格が多く、ここに該当する資格が無い場合は、②の実務経験10年で条件を満たさなければなりません。

実務経験10年は短縮可能

該当する資格者がいない場合は、10年の実務経験者がいれば条件をクリアできます。
ただし、この実務経験を証明する作業は非常に難しく、例えば10年分の工事の請負契約書を提出するよう求められたりします
国家資格ではなく実務経験で許可を取るにはかなりの手間が必要になってきます。

 資格無しで建設業許可を取る方法

この実務経験10年は、業種に関連する学科を卒業していれば、以下の通り必要な年数が短縮されます。

関連する大学の学科を卒業 ▶ 実務経験3年以上でOK
関連する高校の学科を卒業 ▶ 実務経験5年以上でOK

なお、関連する学科は業種により以下の通り決められています。

業種関連する学科
土木工事業土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。以下同じ。)
都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
舗装工事業
建築工事業建築学又は都市工学に関する学科
大工工事業
ガラス工事業
内装仕上工事業
左官工事業土木工学又は建築学に関する学科
とび・土工工事業
石工事業
屋根工事業
タイル・れんが・ブロック工事業
塗装工事業
解体工事業
電気工事業電気工学又は電気通信工学に関する学科
電気通信工事業
管工事業土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
水道施設工事業
鋼構造物工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
鉄筋工事業
しゅんせつ工事業土木工学又は機械工学に関する学科
板金工事業建築学又は機械工学に関する学科
防水工事業土木工学又は建築学に関する学科
機械器具設置工事業建築学、機械工学又は電気工学に関す学科
消防施設工事業
熱絶縁工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
造園工事業土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科
さく井工事業土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科
建具工事業建築学又は機械工学に関する学科

建設業許可の条件③ 誠実性

建設業許可を取るには、その業者が誠実である事が求められます。

誠実性のクリア条件
直近5年間で、建築士法や宅地建物取引業法に違反し、許可や免許を取り消されていない事

この条件が求められるのは、個人事業であればその個人事業主と支配人、法人であれば役員や営業所長など経営において重要な役割をもつ人達です。

 誠実性について詳しく知りたい

建設業許可の条件④ 財産的基礎等

建設業許可を取る為には、一定以上の資金力をもっている必要があります。
建設工事を着手するには、資材の購入や労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の資金が必要になり、工期も長期化する事から、発注者保護の観点でこのような条件がかされています。

財産的基礎等のクリア条件
①資本金が500万円以上あること
②500万円以上の資金調達能力があること

どちらかを満たせばOKです。
②の場合は500万円が銀行口座に入っていればそれだけでよく、許可を取る為に知人から借りてきたお金でも問題なく許可がおります。

※注意
特定建設業許可の場合は、この財産的基礎等の難易度がかなり高くなります。
特定建設業許可を検討されている方は「財産的基礎等をさらに詳しく解説」を確認下さい。

建設業許可の条件⑤ 欠格要件

建設業許可を取るには、社内に欠格要件に該当する人物がいない事が求められます。
欠格要件は、申請する書類と人に関する事項が合わせて15個あり、そのいずれにも該当しない事が必要です。

社内の従業員全員が対象にはならず、個人事業の場合は個人事業主と支配人、法人の場合は役員や営業所長など経営に関わる人達です。

欠格要件に該当しているにもかかわらず、該当無しと虚偽の申請をすると、そこから5年間は許可を取る事が出来なくなりますので、絶対にしないようにしましょう。

 欠格要件について詳しく知りたい

番号欠格要件(ひとつでも該当したらダメ)
書類許可申請書や添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があるとき
許可申請書や添付書類中の重要な事実について記載が欠けているとき
成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
不正の手段で許可を受けた、又は営業停止処分に違反したことで許可を取り消され、取消しになった日から5年を経過しない者
②の取消し処分にかかる通知があった日から当該処分があった日までの間に廃業の届出をした者で当該届出の日から5年を経過しない者
②の取消し処分にかかる通知があった日以前60日以内に、③の廃業の届出をした法人の役員等若しくは令3条使用人(営業所長等)、又は届出をした個人の令3条使用人で、当該届出の日から5年を経過しない者
営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
営業の禁止を命ぜられ、その禁止の期間が経過しない者
禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
※禁固以上とは「死刑」「懲役」「禁固」が該当します。
一定の法律に違反したことで罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
暴力団員、又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
申請者が未成年者で、その法定代理人が上記に該当する者
法人でその役員等、又は令3条使用人が上記に該当する者
個人でその支配人又は令3条使用人が上記に該当する者
暴力団員等にその事業活動を支配されている者

参照:e-Gov法令検索 建設業法第八条

建設業許可の条件⑥ 社会保険加入

こちらの条件は2020年10月から新しく条件として追加されました。
今後、社会保険の適用事業所に該当するにもかかわらず社会保険に加入していない場合、許可を取る事が出来なくなりました
※対象となるのは健康保険、厚生年金保険、雇用保険

適用事業者に該当しない場合は加入不要
個人事業主で従業員がいない場合など、社会保険の非適用事業所であれば加入している必要はありません。

 ウチは加入義務あり?なし?社会保険加入義務化について

建設業許可の条件一覧

ここまで紹介した条件を改めてまとめます。

項目求められるモノ求められる人
①経営業務の管理能力会社役員および個人事業主の経験5年以上法人:常勤の役員のうち1人以上
個人:個人事業主もしくは支配人
②専任技術者業種に関連する国家資格
業種の実務経験10年以上
営業所に常勤の従業員
③誠実性直近5年での法律違反による免許等の取消がない事法人:常勤の役員、営業所長等
個人:個人事業主もしくは支配人
④財産的基礎等資金力(500万円以上)会社として
⑤欠格要件欠格要件への非該当法人:常勤の役員、営業所長等
個人:個人事業主もしくは支配人
⑥社会保険健康保険、厚生年金保険、雇用保険への加入会社として(対象従業員全員)

条件を満たしていない時の対応策

ここまでご紹介した条件を満たしてない場合の対応策についてご紹介していきます。

①経営業務の管理能力と②専任技術者の条件を満たしてない場合

この2つの条件を満たしてない場合、すぐに許可を取るには条件を満たした人物を雇用するしかありません。

①をクリアしたい場合は、会社の外部から役員経験や個人事業主の経験がある方を、個人事業の場合は支配人として、法人の場合は役員として会社に入ってもらう事で、条件を満たす事が可能になります。
これは専任技術者も同じで、資格保有者や実務経験が10年ある方を雇用すればOKです。

③誠実性や⑤欠格要件に該当している場合

③や⑤の該当者がいる場合の対応策は、その人物を役員等のポジションから外す方法があります。

誠実性や欠格要件は個人事業主や役員に求められる条件ですので、もし役員に該当者がいれば、その人物を役員から外し従業員として会社に残ってもらう事で、許可の条件はクリアする事が可能になります。

④財産的基礎や⑥社会保険の条件を満たしていない場合

この2つは満たしていなくても、すぐに対応する事が出来る為大きな問題にはなりません。

④の場合は、500万円を融資でもよいので借りてきて、許可取得後にその500万円を丸々返済しても許可を取り消される事はありません(いわゆる見せ金でもOK)。これは資金力ではなく資金調達能力を見る条件だからです。

また社会保険については加入の届け出をすれば条件を満たせるので、加入していなければすぐに加入の手続きを行えばOKです。

許可取得後に条件が欠ければ許可が取消される

建設業許可を取得後にこれらの条件が欠けた場合、許可は取り消されてしまいます
※ただし④財産的基礎等だけは欠けてもOK

特に、経営業務の管理能力や専任技術者を1人の者に依存している場合は注意が必要です。
その者が会社を辞めたり不慮の事故で働けなくなった場合、許可が取消になってしまいます。

その人物が欠けてから急いで別の者を雇ってもダメです(欠けていた期間が生じた時点で許可が取消になる為)。
そうならない為には、常に条件を満たした人物を複数人社内で抱えている必要があります。

国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該建設業者の許可を取り消さなければならない。
一 一般建設業の許可を受けた建設業者にあつては第七条第一号又は第二号、特定建設業者にあつては同条第一号又は第十五条第二号に掲げる基準を満たさなくなつた場合
二 第八条第一号又は第七号から第十三号まで(第十七条において準用する場合を含む。)のいずれかに該当するに至つた場合

【補足】特定建設業許可は条件が違います

これまでも何度か触れてきましたが、6つの条件は一般建設業許可に関するものであり、特定建設業許可の場合は②専任技術者と④財産的基礎等の条件が異なります

※特定建設業許可
元請業者として請け負った工事を下請けに出す際に4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の契約を締結する場合に必要

許可業許可を持っている業者の90%が一般建設業許可ですので、大多数の方は関係ありませんが、もし特定建設業許可をお考えの場合は、下記の詳細記事を参考にして下さい。

 特定建設業許可について詳しく知りたい

ちなみに混同されている方が多いですが、大臣許可と知事許可では条件に変わりはありません

まとめ

以上、建設業許可を取る為の条件についてご紹介してきました。

許可を取る為には絶対に抑えておかないといけないポイントですので、まずはこの条件を正しく理解して、自社の状況と照らし合わせていく事から始めましょう。

特に「経営業務の管理能力」については、条件を満たしているかの判断が難しいケースも多々あります。
その場合は、まずは専門の行政書士に相談される事をオススメします。

 

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