経営事項審査で評点を上げる13の方法を徹底解説!

経営事項審査の評点を上げたい!
けど何から手を付ければ良いかわからない、、、

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

経営事項審査の評点を上げるために最適な方法は
会社様によって様々で一概にこうすれば良いという事はありません。

その中でも本ページでは多くの会社様で効果が期待できる方法を厳選し、
今日からできる13の評点アップ方法を、
どこよりもわかり易く解説していきます!

まずは評点の算出方法と構成を理解しましょう!

まず最初に、皆さんは経営事項審査の評点の正体をご存知でしょうか?

評点を上げたいのであれば、まず評点がどのように算出され、その数値は会社のどういった要素で作られているのかを理解する必要があります。

敵を攻略するには敵を知ることです(経審は敵ではありませんが)。

そもそも経審の事がよくわかってないかも、、、という方は「経審とは?経営事項審査について徹底解説」を先に読んで頂くことをオススメします。

評点=総合評定値(P点)の算出方法と構成要素

経営事項審査の評点とは、総合評定値(P点)の事を指し、会社の経営状況と経営規模等を数値化した各評点(X1~Z評点)を、決まった掛け率をかけた後に合算する事で求められます。

評点=総合評定値(P点)の算出方法

総合評定値(P)=0.25(X₁)+0.15(X₂)+0.20(Y)+0.25(Z)+0.15(W)
※最高点は「2,143」、最低点は「-18」になります

それぞれX1~Z評点は、会社の下記のような要素(審査項目)を点数化したものになります。

区分評点審査項目最高点最低点掛率審査
機関
経営状況分析純支払利息比率1,595020%
登録経営状況分析機関
負債回転期間
売上高経常利益率
総資本売上総利益率
自己資本対固定資産比率
自己資本比率
営業キャッシュフロー(絶対額)
利益剰余金(絶対額)
経営規模等評価
経営規模工事種類別年間平均完成工事高2,30939725%
許可行政庁
経営規模自己資本額2,28045415%
利払前税引前償却前利益
技術力工事種類別技術職員数2,44145625%
工事種類別元請完成工事高
その他審査項目
(社会性等)
労働福祉の状況1,966-1,99515%
建設業の営業継続の状況
防災活動への貢献の状況
法令遵守の状況
建設業の経理に関する状況
研究開発の状況
建設機械の保有状況
国際標準化機構が定めた規格による
登録の状況
若年の技術者及び技能労働者の育成
及び確保の状況

 

評点を構成する要素の割合【イメージ図】

score-up

評点の正体をなんとなく理解いただけたでしょうか?

評点は会社の規模や経営状況、また会社が持つ技術力に社会への貢献度まで

全部で4つの要素によって構成されているんですね。

ではいよいよ、評点アップのための方法を4つの要素ごとに見ていきましょう!

経営事項審査の評点を上げる方法

それでは評点を上げる為の方法をX評点、Y評点、Z評点、W評点の順に解説していきます。

その中で具体的な方法を全部で〇個紹介していきますので、ぜひご自身の会社にも当てはめてみながら読み進めて下さい。

X評点を上げる方法(完成工事高を上手に配分する)

X評点にはX1とX2がありますが、それぞれ完成工事高や自己資本の金額で点数が決まってくるため、短期的な施策は打ちづらい項目になります(そもそもX1の完成工事高などは大企業にはまず太刀打ちできません)。

しかしその中で、少しでも点数アップに繋げられる2つの方法をご紹介します。
※X評点について詳しく知らない方は、先に「徹底解説!経審のX評点について」を読んで頂くとより理解が進みやすいと思います。

X評点を上げるオススメの方法

①”工事進行基準”を用いて完成工事高を計上する
②完成工事高の”業種間振替(積み上げ)”を活用する

①工事進行基準を用いて完成工事高を計上

通常多くの会社さんでは完成工事高は工事が完了した時に初めて収益として計上されます。
※この会計方法を「工事完成基準」といいます

しかしそうすると、例えば審査対象年度に1億円の工事受注し、経審の申請時には工事が8割完成していたとしても、完全に工事が完了していなければ完成工事高には1円も計上されません。

そこで、工事の進行状況に合わせて完成工事高を計上する会計方法である「工事進行基準」を用いれば、少しでも審査年度の完成工事高を上げることが出来ます。

先ほどの例で言えば、この工事進行基準を用いる事で、完成した8割にあたる8,000万円の完成工事高を計上する事が可能になります。
※ただし当然翌年の完成工事高は2,000万円しか計上されませんので、どの審査年度に多く計上したいかをよく考える必要があります

この完成工事基準の採用を検討される場合は、一度顧問の税理士さんに相談してみて下さい。

②完成工事高の業種間振替(積み上げ)を活用

経営事項審査では、特定の専門工事の完成工事高を関連する一式工事、または関連する専門工事に振替る事が出来ます。

例えば、左官工事の完成工事高が1,500万円あった場合、その金額を建築一式工事の完成工事高として申請を行えます。

この制度を「業種間振替(積み上げ)」と言い、上手く活用すれば狙った業種で評点アップが狙えます。

なお、この業種間振替ができる専門工事はなんでもかんでも出来るわけではなく、下記の通り振替が認められる業種が決められています。
自治体によって見解が異なる為、必ず申請先の手引きを確認するようにしましょう(下記は東京都の見解です)。

専門工事⇒一式工事に振り替える場合

振替先の一式工事一式工事への振替が認められる専門工事
土木一式とび、石、タイル、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、水道施設
建築一式大工、左官、とび、屋根、タイル、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装、建具、解体

★この場合、審査対象となる年度(直近2年または3年間)の振替元の専門工事の完成工事高を全て振替先の一式工事に積み上げる必要があります。

専門工事⇒専門工事に振り返る場合

専門工事間での振替が認められるもの
電気電気通信
熱絶縁、水道施設
とび石、造園

★この場合、振替元の専門工事の完成工事高については、年単位で振替先の完成工事高に積み上げる事が出来ます。
例えば、審査年度は積み上げるが、直前2年は積み上げないなどの選択が可能です。

【重要】業種間振替の注意点
・振替元と振替先の業種について建設業許可が必要です
・振替元の業種では経営事項審査は受けられなくなります

この業種間振替をうまく活用すれば、公共工事を積極的に取っていきたい業種に絞って効率よく評点を伸ばす事が出来ます。

公共工事は1業種でしか狙っていないという会社さんであれば、非常に効果的かつ即効性のある施策ですのでぜひ検討される事をオススメします。

※完成工事高を上げる為に薄利で工事を受注するのは危険
完成工事高を上げる事だけが目的になると薄利でもとにかく受注件数を増やそうとしがちです。しかしそうすると利益率が悪くなりますので、Y評点の減点につながりますし、長期的に見ても利益を蓄積しにくいため自己資本額が上がらず、それらに関する点数も伸びなくなります。工事は売上高ではなく利益額を重視した方が、長い目で見た時に必ずプラスに働きますので、そういった意識を持つようにしましょう。

Y評点を上げる方法(王道は利益の追求と無借金経営)

Y評点は会社の経営状況が点数化されるため、財務の健全化が評点アップの大きなポイントになります。

まずは、Y評点を構成する要素とそれぞれの寄与度を見てみましょう。

score-up-2

これからわかるように、Y評点の中でもX1、X3、X6の割合が高く、Y評点を効率よく上げるには、これらの点数アップを目指すのが王道の方法になります。

そうすると「利益を徹底的に追及する事で利益率を上げ、かつ自己資本比率も向上させる。それにより無借金経営を目指す」が王道かつ理想的なY評点アップの方法になります。

以上を踏まえてY評点アップに繋げられる方法を具体的に5つご紹介します。

なお、Y評点は少し算出方法などが複雑なので、中身をよく理解されていない方は、まずは「徹底解説!経審のY評点について」を読んでから下記方法を確認頂く事をオススメします。

Y評点を上げるオススメの方法

③支払利息を下げて受取利息を正確に計上する
④負債を減らす(借入金の返済)
⑤利益を徹底して追及する
⑥固定資産を減らす(リースの活用)
⑦資本金を増やす(増資)

③支払利息を下げて受取利息を正確に計上

これはY評点で最も大きい割合を占めるX1「純支払利息比率」を改善するための方法です。

まず、普段から出来るだけ金利を意識して借金をするよう心がけますよう。
なるべく金利の低い融資の活用や、銀行融資も複数の銀行をあたり、なるべく金利の安い銀行から融資をとる、または金利の減少を交渉するなど、支払利息を下げるという事を常に意識する事が大切です。

また受取利息を雑収入などに計上しているケースも非常にもったいないです。

受取利息を計上すればその分純支払利息を下げる事が出来るので、必ず正確に計上するようにしましょう。

④負債を減らす(借入金の返済)

これはX2やX3の改善に繋がる重要な方法です。

特に短期借入金などの流動負債を返済する事で、負債額や総資本額を減らす事ができ、X2やX3の数値改善に繋がります。
普段から無借金経営を意識していれば、X1も含めた点数改善が可能です。

このあたりは銀行とのお付き合いも含めて考えた方が良い事項になりますので、会社の状況に合わせて検討される事をオススメします。

⑤利益を徹底して追及

これは当然の事でもありますが、Y評点アップという観点で見ても極めて重要な視点になります。

利益率を上げる事で寄与度の大きいX3「総資本売上総利益率」を改善する事が出来ますし、利益が蓄積される事で自己資本率があがれば、同じく寄与度の大きいX6「自己資本比率」の改善にも繋がります。

受注した工事はしっかりと利益が取れているか、削減できる経費はないか、過剰な材料仕入れや人員配置で原価がかさんでいないか、今一度徹底して見直すことをオススメします。

⑥固定資産を減らす(リースの活用)

建設機械などの固定資産を減らす事で、X5「自己資本対固定資産比率」を減らす事が出来ます。

建設機械は購入せずにリースを活用するなどの方法が考えられます。

ただし、これも工事に支障をきたすと本末転倒ですので、会社の状況と相談しながら検討されることをオススメします。

⑦資本金を増やす(増資)

増資することで自己資本額をあがりますので、X5やX6が改善されます。

ただしこちらも増資の手段やそれにより発生する費用をしっかり考えた上で検討する必要があります。

増資を検討される場合は、一度顧問の税理士さんに相談してみて下さい。

その中で具体的な方法を全部で〇個紹介していきますので、ぜひご自身の会社にも当てはめてみながら読み進めて下さい。

Z評点を上げる方法(資格取得の推進と有効活用)

Z評点は会社が持つ技術力が点数化されますので、即効性のある施策は最も打ちにくい項目になります。

ただし、総合評定値(P点)に占める割合も高いのがこのZ評点ですので、長期的な目線でも施策に取り組むことをオススメします。

ここでは点数アップに繋げられる3つの方法をご紹介します。
※Z評点について詳しく知らない方は、先に「徹底解説!経審のZ評点について」を読んで頂くとより理解が進みやすいと思います。

Z評点を上げるオススメの方法

⑧管理技術者講習を受講する
⑨技術職員の適切な振分けを行う
⑩社員の資格取得を推奨・資格保有者の優先採用を行う

⑧管理技術者講習を受講

社内の技術職員に1級技術者がいる場合、必ずその技術職員に管理技術者講習を受講してもらいましょう。

管理技術者資格者証を保有している1級技術者には1点の上乗せがあり6点加点になります(資格者証がない1級技術者は5点加点)。

1日講習を受けるだけでそこまで大きな手間ではありませんので、受講されていない場合はぜひ検討下さい。

⑨技術職員の適切な振分け

1人の技術職員で加点できるのは2業種までと制限がされています。

1級建築士のように複数業種での加点が可能な資格の場合、どの業種の点数を伸ばしたいかをしっかり考えた上で振分けを行うようにしましょう。

⑩社員の資格取得を推奨・資格保有者の優先採用

長い目で見た時にはこの方法が最も効果的です。

社員の資格取得を後押しする為に、学習費用や受験費用を会社から補助したり、資格保有者には手当を設けて給与アップを行うなど、社員が積極的に資格取得を目指す環境を構築しましょう。

また資格保有者の採用は、Z評点をすぐに上げる事が可能な有効な方法のひとつです(ただし、審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的雇用関係があり、かつ雇用期間を限定しない事が必要です)。

W評点を上げる方法(加点となる社会保険制度を活用)

W評点の特徴として、審査項目が非常に多い点があげられ、その為点数アップを図る方法も多く考えられます。

ざっと下記の9つの審査項目によって点数化されます。

W1:労働福祉の状況
W2:建設業の営業継続の状況
W3:防災活動への貢献の状況
W4:法令順守の状況
W5:建設業の経理に関する状況
W6:研究開発の状況
W7:建設機械の保有状況
W8:国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
W9:若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況

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またX評点やZ評点と違い、全ての申請業種に共通して利用されるため、点数アップに取り組む意味合いが大きいのも特徴です。

ここではいくつか考えられる施策の中から、比較的取り組みやすいオススメなW評点アップの方法を3つご紹介します。
※W評点について詳しく知らない方は、先に「徹底解説!経審のW評点について」を読んで頂くとより理解が進みやすいと思います。

W評点を上げるオススメの方法

⑪加点される社会保険制度に加入する
⑫防災協定を締結(関連団体へ加入)する
⑬建設業経理士2級を取得する

⑪加点される社会保険制度への加入

W評点では社会保険への加入状況が評価されますが、その中で下記の3つに加入もしくは制度を備えている場合にはそれぞれ15点の加点があります。

①建設業退職金共済制度
②退職一時金制度若しくは企業年金制度
③法定外労働災害補償制度

これは全て加入していた場合は、15点×3の加点がありますので、大幅なW評点アップが狙えます。

①は現場で働く職人さんを被共済者として加入する事が可能な退職金制度で、多くの建設事業者が加入している制度です。
※詳しくは「建設業退職金共済制度について(外部ページ)」を参照下さい

②のオススメは退職一時金制度のひとつ「中退共(中小企業退職金共済事業)」への加入です。

こちらも①の建退共と同じ退職金制度ですが、1人の従業員が両方に加入する事は出来ません。
そのため、現場で働く方は①の建退共、事務職員さんは②の中退共に加入するなどすれば、両方の加点が狙えます。
※詳しくは「中小企業退職金共済事業について(外部ページ)」を参照下さい。

③の法定外労働災害補償制度は、民間の損害保険によって労災の上乗せをする場合でも条件を満たせば認められます。

保険会社の方が詳しいので、検討される方は一度保険屋さんに相談されると良いと思います。

⑫防災協定の締結

W評点の加点項目に「防災協定の締結」があり、締結している場合は20点の加点があります。

これは非常に大きいのでぜひ狙っていきたいですが、自治体と単独で防災協定の締結出来るのは、大企業に限られます。
しかし中小企業でもこの防災協定の加点要件を満たす方法があります。

それは関連団体や組合への加入です。

事業者が所属する団体が防災協定を締結している場合でも、この防災協定の締結が認められるケースがありますので、防災協定を締結している関連団体を調べて加入を検討するのもひとつです。
※防災活動への貢献の状況は自治体によって考え方や扱いが異なりますので、必ず申請先の手引きを確認して下さい

⑬建設業経理士2級の取得

W評点には「建設業の経理に関する状況」という審査項目があり、公認会計者や税理士、建設業経理士の資格保有者がいる事業者は加点があります。

この項目での加点を狙う為に、建設業経理士2級の取得をオススメします。

公認会計士や税理士のような超難関資格を従業員に取得してもらうのはあまり現実的ではありませんが、この建設業経理士2級であれば、例えば商業高校を出ていて簿記の知識を少し持っているような方であれば、数カ月勉強すれば十分取れる難易度です。

また簿記の知識がない方でも、1年程度勉強すれば十分合格を狙える難易度だと思います(合格率も30~50%と資格試験にしては高い部類です)。

加点される点数は会社の規模によって異なるので一概には言えませんが、例えば年間平均完成工事高が1億円未満の会社であれば、建設業経理士2級が1名いるだけで10点、1億円以上10億円未満の場合でも6点加点されますので、中小企業であればそれなりの評点アップを狙えます。

経営事項審査で評点を上げる13の方法を徹底解説!まとめ

ここまで経営事項審査の評点をあげる方法を解説してきましたが、参考になりそうなものはありましたでしょうか?

評点を上げる為のするべき施策は、会社の状況によって大きく変わりますし、一概にこれ!というものはありません。

ここで解説したものも有効な方法になる会社さんもあればあまり効果がない会社さんもあるはずです。

ご自身の会社の状況と照らしあわせながら、自社にすべき施策は何かを一度しっかり考えてみることが大切です。

なお、経営事項審査についてその概要を知りたい方は、下記ページで詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。

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