「般・特新規」という申請区分が良く分からずお困りではないでしょうか?
建設業許可の申請区分のひとつですが、この般・特新規は中でもその定義が少し難しい区分になります。
この記事を読めば・・・!
般・特新規に該当するケースがわかる!
般・特新は建設業許可の申請区分のひとつ
建設業許可を申請する際、その申請の目的や申請業者の許可保有状況などに応じて、該当する「申請区分」というものを選択しなければなりません。
なぜならその申請区分によって審査する書類が変わってくるからです。
ではまずは5つある申請区分を全て紹介します。
申請区分 | 該当要件 |
新規 | 現在有効な許可を受けていない者が、許可を申請する場合 例)許可なし⇒管工事業 |
許可換え新規 | 現在有効な許可を受けている許可行政庁以外の許可行政庁に対し、新たに許可を申請する場合 例)管工事業(知事許可)⇒管工事業(大臣許可) |
般・特新規 | 一般建設業の許可のみを受けている者が新たに特定建設業の許可を申請する場合、又は特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を申請する場合 例)管工事業(一般)⇒管工事業(特定) |
業種追加 | 一般建設業の許可を受けている者が他の建設業について一般建設業の許可を申請する場合、又は特定建設業の許可を受けている者が他の建設業について特定建設業の許可を申請する場合 例)管工事業(一般)⇒管工事業(一般)+塗装工事業(一般) |
更新 | 既に受けている建設業の許可を、そのままの要件で続けて申請する場合 例)管工事業(一般)⇒管工事業(一般) |
では本記事ではこの5つのうちの「般・特新規」について解説していきます。
※全ての申請区分については下記ページで詳しく解説しています。
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既に一般か特定のどちらかのみを持っている業者が該当
般・特新規は申請区分の中でも区分わけが少しややこしく、特に業種追加と間違いやすいです。
正しく区分を選ぶためにはまずは般・特新規の定義を正しく理解することが大切です。
般・特新規の定義
ではもう少し詳しく解説していきます。
まずこの般・特新規に該当する大前提として、、、
これが大前提になります
許可がなければ般・特新規にはならず普通の新規の申請区分です。
そして次に下記に該当することです。
これに該当する業者が、もっていないほうの許可区分を申請する場合にのみ、この般・特新規に該当することになります。
具体例をあげるとこんな感じです。
・一般の管工事業を持っている建設業者が、特定の管工事業を申請する・一般の管工事業と一般の塗装工事業を持っている建設業者が、特定の管工事業を申請する・特定の建築工事業と特定の管工事業を持っている建設業者が、一般の管工事業を申請する※ポイントは一般か特定のどちらか一方しかもっていない業者という点です
では次は反対に、般・特新規には該当しないケースを見ていきましょう。
一般と特定をどちらも持っている場合は般・特新規にあたらない
先ほど一般か特定のどちらかしかもっていない業者が該当すると言いました。
つまり、一般と特定の両方を持っている場合は絶対に般・特新規には該当しません。
例えば下記のようなケースです。
特定の建築工事業と一般の管工事業を持っている建設業者が、特定の管工事業を申請する場合
この場合は、管工事業が一般から特定に変わるので「般・特新規」のように見えますが、この業者はもともと一般も特定ももっているので、般・特新規には該当しません(この場合は業種追加になります)。
また、この般・特新規をややこしくしている原因のひとつなのですが、下記ケースも般・特新規には該当しないとされています。
つまり具体的にいうと下記のようなケースです。
建築工事業と管工事業をどちらも特定で持っている業者が、そのすべての建設業(建築工事業と管工事業)をどちらも一般で申請する場合
なぜこのように、特定の許可をすべて一般の許可にする場合は般・特新規に該当しないのかというと、これは次に解説する申請実務上の手続きを理解すれば理由がわかります。
般・特新規の申請実務上の手続き
般・特新規の申請は少しややこしいのですが、一般を持っている業者が同じ業種で特定の許可を申請する場合(管工事業(一般)⇒管工事業(特定)のようなケース)は、この般・特新規の申請をするだけでOKです(無事に特定の許可が取れればもともと持っていた一般の許可は効力を失います)。
しかし、特定を持っている業者が同じ業種で一般を申請する場合(管工事業(特定)⇒管工事業(一般)のようなケース)は、いったん特定の許可を廃業にしてから、この般・特新規の申請を行います。
つまり下記のような違いがあるイメージです。
同じ業種で特定⇒一般:一旦廃業して新規
そのため、先ほど般・特新規に該当しないと説明した「特定の許可のみを受けている業者が、その特定の許可全部について一般の許可を申請する」場合は、持っている許可がいったんすべて廃業扱いとなるため、一時的になんの許可も持っていない状態になります。
そのため、申請する一般の許可は「般・特新規」ではなく「新規」ということになるのです。
具体的には下記のようなイメージです。
⇒この場合は、塗装工事業を一旦廃業にするが、管工事業は残る為申請区分は「般・特新規」
⇒場合は、管工事業も塗装工事業も一旦すべて廃業にする為申請区分は「新規」
では般・特新規の申請とただの新規の申請ではどういった申請実務上の違いがあるのでしょか。
般・特新規は新規より提出が必要な申請書類がやや少なくなる
「新規」と「般・特新」の申請上の実務は基本的に同じだと考えてください。
般・特新規はあくまでもは新規申請の1種ですので、ある業種について一般から特定に変えるだけだとしても、新しく特定の許可を取るのと同じレベルの審査を受ける必要があります。
ただし、もともと許可を持っている業者が新しく許可を申請するので一部免除になる書類があります。
ですので、実務的な違いは基本的には無いけど提出書類がちょっとだけ少ない、という理解でOKです。
般・特新規の場合、既に持っている許可番号は変わらない
なお、もともと持っている一般の許可業種について、新たに特定の許可を取るために般・特新規の申請を行い、無事特定の許可が取れた場合、許可番号は一般の時の許可番号から変わりません。
持っていた許可がグレードアップ(一般⇒特定)もしくはグレードダウン(特定⇒一般)したと見なしてもらえるイメージです。
般・特新規の申請をする具体的な事例
ではこの般・特新規の申請は、どういった事情や状況が発生したときにされるのか見てみましょう。
・下請けとして工事を受注してきたが、今後は元請として大きい工事も受注したい(一般⇒特定)
・許可の期限が迫っているが、特定建設業の資産要件を満たすことができなくなったため、更新ではなく一般建設業に切り替える
こういったケースがあげられます。
般・特新規にかかる手数料
般・特新規にかかる手数料は下記のとおりです。
大臣許可の場合:15万円
これは同時に複数業種申請してもこの値段です。
ただし、その複数業種の中に一般と特定がそれぞれ含まれる場合は2倍の手数料がかかります。
管工事業(一般)+塗装工事業(一般)+左官工事業(一般)⇒9万円管工事業(特定)+塗装工事業(一般)+左官工事業(一般)⇒18万円
※知事許可の場合
また他の申請区分と組み合わせればプラスでその申請分の手数料がかかります。
他の申請区分も含めた一覧を載せておきます。
申請区分 | 知事許可 | 大臣許可 |
新規 | 9万円 | 15万円 |
許可換え新規 | 9万円 | 15万円 |
般・特新規 | 9万円 | 15万円 |
業種追加 | 5万円 | 5万円 |
更新 | 5万円 | 5万円 |
般・特新規まとめ
般・特新規は申請区分の中でも特にややこしく、中でも業種追加と間違えるケースが非常に多いです。
基本的な覚え方としては、一般建設業許可か特定建設業許可のどちらかしかもっていない業者が、持っていない方の許可を取る場合は、全て般・特新規になると覚えておけばOKです。
その上で、例外として「特定しか持っていない業者が、一般のみになる場合」だけ、新規に該当すると覚えておきましょう。
また、今まで一般建設業許可しかとったことのない業者ですと、特定建設業許可の申請はやや難易度が高いと感じると思います。
一般の時にも求められない要件や書類もありますので、申請方法についてはしっかり準備するようにしましょう。
他の申請区分も含めた、建設業許可の申請全般について詳しく知りたい方は、下記ページにまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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