建設業許可の申請区分のひとつに「許可換え新規」という区分があります。本記事ではどのような際に該当するのかや普通の新規との違いについて、わかりやすく解説していきます。
本記事のポイント
現行の許可行政庁を変更する場合に該当
営業所に変更があった際に必要になる
申請先が変わる為ローカルルールに注意
許可換え新規とは?
建設業許可を申請する際、その申請の目的や申請業者の許可保有状況などに応じて、該当する「申請区分」というものを選択しなければなりません。許可換え新規とはその申請区分のひとつで、現在保有する許可の許可行政庁とは違う行政庁に許可を申請する際に該当する申請区分です。
ちなみに他にも申請区分は以下の5つがあります。詳しく知りたい方は「許可の申請区分5つをわかりやすく徹底解説!」を参照ください。
申請区分 | 該当要件 |
新規 | 現在許可を受けていない者が許可を申請する場合 例)許可なし⇒管工事業 |
許可換え新規 | 現在許可を受けている行政庁以外の行政庁に対し新たに許可を申請する場合 例)管工事業(知事許可)⇒管工事業(大臣許可) |
般・特新規 詳しい解説を見る | 一般建設業許可のみを受けている者が新たに特定建設業許可を申請する場合、又はその逆 例)管工事業(一般)⇒管工事業(特定) |
業種追加 詳しい解説を見る | 現在保有する許可区分(一般・特定)と同じ許可区分で保有していない業種を追加申請する場合 例)管工事業(一般)⇒管工事業(一般)+塗装工事業(一般) |
更新 詳しい解説を見る | 既に受けている建設業の許可を、そのままの要件で続けて申請(更新)する場合 例)管工事業(一般)⇒管工事業(一般) |
【わかりやすく解説】行政庁っては何?
それでは許可換え新規についてもう少しわかりやすく解説していきます。許可換え新規の定義である「許可行政庁と異なる行政庁」の意味ですが、まず行政庁というのは都道府県(知事)や国(大臣)の事を指します。つまり「許可行政庁とは異なる行政庁」とは「今許可を受けている都道府県とは別の都道府県」というような意味になります。ですので例えば今大阪府で建設業許可を受けている(大阪府知事許可)けど、兵庫県知事許可に変更が必要、というような場合にこの許可換え新規が適用されます。
以下のようなものが代表的なケースです。
「大臣許可」を持っている業者が「知事許可」を申請する
「A県知事許可」を持っている業者が「B県知事許可」を申請する
許可換え新規の申請が必要になるケース
では実際にどういった場合にこの許可換え新規を申請するのでしょうか?まず許可行政庁を変える必要があるのは「営業所」について変更がある場合になります。
建設業許可は申請者の営業所の設置場所により許可を申請する行政庁が異なります。A県内にのみ営業所がある場合はA県知事に、B県内にのみ営業所がある場合はB県知事に、A県とB県など2つ以上の県にまたがって存在する場合は国(国土交通大臣)にそれぞれ申請します。そのため、許可行政庁の管轄が変わるような営業所の変更があると、許可換え新規申請により許可行政庁を変更する必要がでてくるのです。ではその具体的なケースを見ていきましょう。
A県内にのみ営業所をもつ業者が全ての営業所をB県内に移設した場合
⇒この場合はA県知事許可からB県知事許可に変更する必要がありますので、許可換え新規に該当します。
A県内にのみ営業所をもつ業者が、B県内にも営業所を設置した場合
⇒この場合はA県知事許可から大臣許可に変更する必要がありますので、許可換え新規に該当します。
A県内とB県内に営業所をもつ業者が、B県内の営業所をすべて廃止した場合
⇒この場合は大臣許可からA県知事許可に変更する必要がありますので、許可換え新規に該当します。
大きくこの3つが許可換え新規に該当するケースと覚えておけばOKです。ちなみに営業所の変更以外の理由で許可行政庁が変わることはありませんので、営業所に変更がない限り許可換え新規を申請することもありません。
許可換え新規の申請実務上の特徴
「許可換え新規」の申請実務上の特徴ですが、通常の「新規」では申請実務上の違いはありません。新しい許可行政庁に許可の申請をするわけですので、基本的には「新規」の申請になります。そのため許可要件の証明は必要になりますし、都道府県によって許可要件の証明方法は異なりますのでその点も注意が必要です。
提出する申請書類も基本的にまったく同じですし、申請にかかる手数料も同じです(知事許可9万円、大臣許可15万円)。また許可番号も変わりますのでその点も注意しましょう。
許可申請でお悩みの方は
建設業許可の申請でお悩みの方は、建設業許可を専門にしている行政書士に申請を代行してもらう方法があります。行政書士に依頼することで下記のようなメリットもあります。
行政書士に代行してもらうメリット
・申請を丸投げできるので業務に専念できる
・建設業法や許認可についての相談窓口ができる
・許可取得にかかる期間が短縮できる
当サイトを運営する建設業許可申請に専門特化した「イロドリ行政書士事務所」も申請代行サービスに対応しておりますので、許可申請を依頼したいという方はぜひ一度以下からご相談頂ければと思います(相談は無料です)。
許可換え新規についてまとめ
以上、ここまで「許可換え新規」について解説してきました。
基本的には営業所を増やしたり、減らしたり、または移設した場合に発生することになります。許可換え新規の場合は許可申請をする都道府県が前回と違うということになりますので、都道府県ごとのローカルルールに注意が必要になります。前回申請した時と全く同じようにすればOKという事にはならないケースが多いので、申請先の手引きは必ずよく読むようにしましょう。