経営業務の管理責任者に変更があった場合【14日以内にするべき事】

経営業務の管理責任者が死亡や退職により急に欠けた場合、許可業者は何をするべきでしょうか?

「許可は取り消されてしまう?」

「取り消されない為にはどうすれば良いの?」

こんな不安や悩みがありませんか?

取得した建設業許可を維持するには「経営業務の管理責任者」の変更管理(届け出)は非常に重要なポイントです。

ここでは経営業務の管理責任者になにか変更があった際に、許可業者がしなければならないことを徹底解説します。

この記事を読めば・・・!

・経営業務の管理責任者に変更があった場合の対応方法がわかる!
・変更届出書が書けるようになる!

経営業務の管理責任者に変更があった場合は届け出が必要

まずは確認ですが、経営業務の管理責任者とは何でしょうか?

経営業務の管理責任者は、建設業許可の許可要件(許可を取る為にクリアしなければならない基準)のひとつです。

経営業務の管理責任者を簡単に説明すると・・・

許可業者の役員または事業主で、建設業の経営経験が5年以上ある者(建設業者の役員や個人事業主の経験が5年以上ある人)

細かい論点は沢山あるので詳しく知りたい方は下記ページを参考にして下さい。

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つまり建設業許可を取る為に必ず会社に1人以上いないといけない人物がこの「経営業務の管理責任者」なわけです。

許可をだす国や県からすれば「この人(経営業務の管理責任者)がいるから許可出してあげている」わけです。

ですので、許可を認めた後に、この経営業務の管理責任者が不在になったり、他の人に代わった場合、国や県としては「ちょっと待った!」ということになりますよね?

その為、もし許可を持っている業者の経営業務の管理責任者に変更があった場合は、その内容を国や県に対して、届け出という形で報告しないといけないのです。

経営業務の管理責任者に変更が生じる具体的なケース

経営業務の管理責任者は、基本的に許可取得後に変更したりはしません(変更する理由やメリットがないからです)。

では実際に、この経営業務の管理責任者に変更が生じるのはどんなケースでしょうか?

例をあげると下記のようなケースが想定されます。

・経営業務の管理責任者が退職した
・経営業務の管理責任者が死亡した
・経営業務の管理責任者の役員が高齢な為退任した
・社長が経営業務の管理責任者でもある会社で代替わりがあった

こういった事が起きると、まず経営業務の管理責任者が欠ける事になります。

大事なポイントですが、、、
経営業務の管理責任者は許可の維持要件でもあるので、経営業務の管理責任者が不在になると許可は取り消されます

そのため、許可の取り消しを防ぐには、経営業務の管理責任者の後任を新たに立てる必要があります。

経営業務の管理責任者の変更はこういったケースで発生することがほとんどです。

※なお、この時、後任を立てることができなければ、残念ながら許可の取り消しか廃業かを選択することになります。

変更があった場合は14日以内に届け出なければならない!

この経営業務の管理責任者の変更の届け出は、変更が起きてから14日以内にしないといけません。

変更届自体は1日で書けるような書類ですが、一緒に提出する確認書類などを揃えるのに時間がかかる為、変更が起きたらすぐに書類の準備にとりかかりましょう。

初めての方にとっては非常にタイトなスケジュールになりますので、専門の行政書士に依頼するのもひとつです。

届け出をしていないと罰則規定の対象になることも

必要な届け出をしていない場合どうなってしまうのでしょうか?

しなければいけない届け出をしていない場合、、、

・許可の更新や業種追加、また経営事項審査の申請を受け付けてもらえなくなる
・場合によっては罰則規定(建設業法第50条等)により、許可取消や罰金、懲役の対象になる

許可の更新時などに変更届を出していないことが発覚した場合は、さかのぼって届け出を出す事が可能なケースもありますが、省略はできませんので、想定していた申請スケジュールから大幅に遅れが出てしまうことになります。

また罰則規定で罰金や懲役が下されると、そこから許可が5年間受けられなくなるなど、大変な事態に発展しかねないので、届け出忘れないように必ず期限内に提出するよう心がけましょう。

届け出が必要な変更とそれぞれの提出書類を具体的に解説

では、実際に届け出が必要な変更と、それぞれのケースで提出が求められる届け出書類を見ていきましょう。

届け出が必要な変更事由

経営業務の管理責任者を・・・
①変更(交替)や追加した場合
②削除した場合
③削除した場合で後任がいない場合
④氏名変更した場合

①経営業務の管理責任者を、変更(交替)や追加した場合

経営業務の管理責任者を交替や追加した場合は届け出が必要です。
ちなみにこのケースは下記などがあげられます。

・経営業務の管理責任者が退職や死亡で欠けた為、後任をたてた
・経営業務の管理責任者を増員する為、新任をたてた

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
・経営業務の管理責任者証明書 (様式第7号)
・経営業務の管理責任者略歴書 (様式第7号別紙1)
※変更届出書は第一面と第二面の2種類あるが、経営業務の管理責任者の変更の場合、第一面のみ使用
確認書類
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
※法人に限り必要、交代時に役員である事の確認
・常勤性の確認書類
・経営経験の確認書類

②経営業務の管理責任者を、削除した場合

経営業務の管理責任者を削除した場合も届け出が必要です。
ちなみにこのケースは下記などがあげられます。

・経営業務の管理責任者が退職や死亡で欠けた
・経営業務の管理責任者を減員した
※どちらも削除した者の他に経営業務の管理責任者がいる場合です

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
・経営業務の管理責任者証明書 (様式第7号)
確認書類
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
※法人に限り必要、引き続き担当する者が役員である事の確認

③経営業務の管理責任者を、削除した場合で後任がいない場合

例えば、死亡により経営業務の管理責任者が欠けた場合、その後任になれる者が誰もいない場合は、残念ながら許可を維持することはできませんので、一部又は全部を廃業することになります。

その場合の必要書類は下記になります。

必要な書類(一部業種の廃業の場合)
・変更届出書(様式第22号の2)
・届出書(様式第22号の3)
・廃業届(様式第22号の4)
※全部廃業する場合・・・
14日以内に「届出書」を提出し、30日以内に「廃業届」を提出します
確認書類
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
※法人で一部業種の廃業の場合に限り必要

④経営業務の管理責任者を、氏名変更した場合

経営業務の管理責任者が結婚などで氏名が変わった場合も下記書類によって届け出をする必要があります。

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
・経営業務の管理責任者証明書 (様式第7号)
確認書類
・戸籍抄本、住民票、商業登記簿謄本等
※氏名の変更を確認

①~④のケースごとの必要書類一覧表

上記の解説を一覧にまとめました。

変更内容必要書類(様式)確認書類
変更・追加現任
新任
削除削除のみ
一部廃業
全部廃業
氏名変更
変更届出書(様式第22号の2)
役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
経営業務の管理責任者証明書 (様式第7号)
経営業務の管理責任者略歴書 (様式第7号別紙1)
届出書(様式第22号の3)
廃業届(様式第22号の4)
商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
常勤性の確認書類
経営経験の確認書類
戸籍抄本、住民票、商業登記簿謄本等

 

変更や追加の場合、新任者の経営経験および常勤性の確認書類が必要

経営業務の管理責任者を変更や追加する場合は、新任者について、その経営経験と常勤性の確認書類を揃えて提出しなければなりません。

必要な確認書類は、証明したい者(新任)の役職などによって様々です。
下記に簡単な一覧を記載しますが、詳しく知りたい方は「経営業務の管理責任者の確認書類について」の記事を参考にして下さい。

「経営業務の管理責任者」の証明内容(経営経験)を確認する為の書類
証明したい経験区分無許可の業者での経験の場合許可業者での経験の場合
法人役員の経験役員期間の確認:①②
建設業営んでいた確認:③⑤
常勤性の確認:⑪⑬
役員期間の確認:①
建設業営んでいた確認:⑭or⑮+⑯
常勤性の確認:⑪⑬
個人事業主の経験個人事業主期間の確認:④
建設業営んでいた確認:⑤
常勤性の確認:⑫⑬
個人事業主期間の確認:④
建設業営んでいた確認:⑭or⑮+⑯
常勤性の確認:⑫⑬
準役員クラス(執行役員等)の経験執行役員等の期間の確認:⑥⑦⑧
建設業営んでいた確認:③ ⑤
常勤性の確認:⑪⑬
執行役員等の期間の確認:⑥⑦⑧
建設業営んでいた確認:⑭or⑮+⑯
常勤性の確認:⑪⑬
法人役員の補佐経験補佐期間の確認:⑥⑦⑨
建設業営んでいた確認:③⑤
常勤性の確認:⑪⑬
補佐期間の確認:⑥⑦⑨
建設業営んでいた確認:⑭or⑮+⑯
常勤性の確認:⑪⑬
個人事業主の補佐経験補佐期間の確認:⑩
建設業営んでいた確認:④⑤
常勤性の確認:⑫⑬
補佐期間の確認:⑩
建設業営んでいた確認:⑭or⑮+⑯
常勤性の確認:⑫⑬
番号書類取得窓口および方法
登記事項証明書または閉鎖事項証明書各地の法務局の窓口で申請(Webも可)
法人税確定申告書のうち役員報酬手当及び人件費等の内訳書会社が控えを保有。紛失した場合は所轄税務署の窓口で保有個人情報開示請求
法人税の確定申告書のうち別表一およびは決算報告書会社が控えを保有。紛失した場合は所轄税務署で保有個人情報開示請求
所得税の確定申告書のうち第一表個人事業主が控えを保有。紛失の場合は所轄税務署の窓口で保有個人情報開示請求
工事内容・期間・請負金額がわかる書類
契約書・注文書と請書・請求書と通帳の入金記録等
会社もしくは個人事業主が原紙または控えを保有
会社の組織図やそれに準ずる書類会社もしくは個人事業主が保有
業務分掌規程その他をそれに準ずる書類会社もしくは個人事業主が保有
定款、執行役員規程、執行役員職務分掌規程、取締役会規則、取締役就業規程、取締役会の議事録、その他それらに準ずる書類会社もしくは個人事業主が保有
人事発令書、雇用保険被保険者証、雇用保険被保険者離職票(退職している場合)、その他これらに準ずる書類会社が保有もしくは交付される。雇用保険被保険者証を紛失した場合は管轄のハローワークやWebで再発行
所得税の確定申告書の事業専従者欄または給料賃金の内訳欄個人事業主が保有
健康保険被保険者証または住民税特別徴収税額通知書会社が保有もしくは交付。紛失の場合は健康保険被保険者証は協会けんぽの各支部に申請。住民税特別徴収税額通知書は再発行不可
国民健康保険被保険者証個人で保有。紛失した場合は住民票のある市区町村の窓口で申請
住民票の写し(原本)各市区町村の窓口で申請
建設業許可申請書又は変更届の一部(受付印のある表紙及び経営業務の管理責任者証明書(様式第7号))許可業者が保有
建設業許可通知書許可業者が保有
決算変更届の一部(直近分)(受付印か確認印のある表紙か完了通知はがき)許可業者が保有

 

【記入例あり】変更届出書(様式二十二号の二)の書き方

経営業務の管理責任者を変更する際に必要な「変更届出書」の書き方を記入例とともに解説していきます。
※記入方法は各自治体によって多少異なるケースがあります

記入例

※記入例はわかりやすく赤字で記載していますが、申請で認められているのは黒インクのみです。

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① 届け出の内容

届け出の内容は「4.役員等の氏名」選択し丸を付けます。
各種届け出を同じ書式で行う為、何の変更届なのかがわかるようにするためです。

② 日付

届出日を記入する為、作成時は空欄にします。

③ 宛名

提出先(許可権者)を記入します。
該当しないものは線を引いて消します。

④ 届出者

本店の所在地、商号又は名称、代表者氏名を記入し、法人の場合は代表者印を、個人の場合は個人員を押印します。

なお、本書類以外に提出するその他の届出書内の届出者印は、必ずここで押印したものと同一印を押印するようにします。
※印鑑証明が求められる場合があります

また法人で登記上の住所(個人は住民票の住所)と、実際に営業している住所が異なる場合は、住所を二段に分けて記載します。

(登記上)大阪市・・・
(事実上)○○市・・

⑤ 許可番号 [項番35]

保有する許可に関する情報(「大臣知事コード」「許可番号」「許可年月日」)を記入します。

「大臣・知事コード」は、「建設業法施行規則」の別表一の分類に従い、許可を受けている行政庁について該当するコードを記入しましょう(下記表参照)。

大臣・知事(別表一)
00国土交通大臣12千葉県知事24三重県知事36徳島県知事
01北海道知事13東京都知事25滋賀県知事37香川県知事
02青森県知事14神奈川県知事26京都府知事38愛媛県知事
03岩手県知事15新潟県知事27大阪府知事39高知県知事
04宮城県知事16富山県知事28兵庫県知事40福岡県知事
05秋田県知事17石川県知事29奈良県知事41佐賀県知事
06山形県知事18福井県知事30和歌山県知事42長崎県知事
07福島県知事19山梨県知事31鳥取県知事43熊本県知事
08茨城県知事20長野県知事32島根県知事44大分県知事
09栃木県知事21岐阜県知事33岡山県知事45宮崎県知事
10群馬県知事22静岡県知事34広島県知事46鹿児島県知事
11埼玉県知事23愛知県知事35山口県知事47沖縄県知事

「許可年月日」は、複数の許可を受けている場合は、現在有効な許可日のうち最も古いものを記入しましょう。

⑥ 法人番号 [項番36]

国税庁から指定された法人番号を記入します。
なお、法人番号は「国税庁 法人番号公表サイト」で検索できます。

 

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⑦ 届出事項

変更があった事項を具体的に記入します。
経営業務の管理責任者を変更した場合は、「経営業務の管理責任者を変更」と記入します。

⑧ 変更前

届出事項に応じて、変更前の経営業務の管理責任者の氏名や業種を記入します。

⑨ 変更後

届出事項に応じて、変更後の経営業務の管理責任者の氏名や業種を記入します。

⑩ 変更年月日

変更があった年月日を記入します。
届出日前14日以内である事を確認しましょう。

⑪ 備考

補足や詳細があれば記入します。
経営業務の管理責任者の変更の場合は空欄でも構いません。

※要チェック(⑦~⑪について)
同時に提出する「経営業務の管理責任者証明書(様式第七号)」の記載内容と、⑦~⑪の記載内容に相違が無いようにしましょう。

同時に役員の変更や一部業種の廃業があった場合

経営業務の管理責任者の変更と同時に、役員や代表者の変更や、一部廃業があった場合は、その内容も併せて別途記入します。

記入方法は上記⑦~⑪と同様です。

上記にそれぞれの記入例を載せていますので参考にして下さい。

経営業務の管理責任者の変更は、そもそも役員の退任などが理由であるケースが多いため、たいていの場合は役員変更の記入も併せてする事になります。

 

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⑫ 代表者又は個人の氏名

法人の場合で代表者に変更がある場合にのみ記入します。
フリガナは濁点を1文字として扱いません(「ギ」の場合「キ」「゛」に分けず「ギ」で1マス)。

なお、代表者の変更が無い場合は空欄でOKです。

⑬ 連絡先

この申請書の内容に係る質問等に応答できる者の氏名、 電話番号等を記載します。

また、行政書士による代理申請の場合は、行政書士職印を押印します。

経営業務の管理責任者が不在の期間は絶対にないようにする

この経営業務の管理責任者の変更について絶対にないようにしなければならないのが、経営業務の管理責任者が不在の期間を作らないということです。

例えば、4月1日に経営業務の管理責任者が死亡した場合、あわてて経営経験が豊富な他社の役員を翌週の4月8日に雇用したとしても、1週間の間、経営業務の管理責任者が不在の期間が発生します。

こうなると、残念ながら許可は取り消されてしまいます。

こういった急な事態でも空白期間を作らないようにする為には、社内に経営業務の管理責任者の条件を満たしている人物を常に複数人雇用している必要があるのです。

なお、変更届出書の提出自体は、14日以内に行えば問題はありません。

届け出をしていない期間が空白期間とされるわけではなく、条件を満たした人物がいない期間を空白期間とされるからです。

条件を満たした人物が変更時にちゃんといたのであれば、14日以内にその事を届け出ればOKです。

経営業務の管理責任者に変更があった場合まとめ

・経営業務の管理責任者に変更があった場合は、その日から14日以内にその旨を許可行政庁に届け出なければならない

・経営業務の管理責任者が死亡や退職で不在になると、後任を立てなければ許可が取り消される

・届け出には、変更届出書などの必要書類と、記載内容を証明する確認書類が必要

・届け出を出しても、記載内容に経営業務の管理責任者が不在の期間があると、許可の取り消し処分を受けるので注意が必要

なお、経営業務の管理責任者と同様に、変更があった際に届け出が必要な事項を全て知りたい方は、下記記事で詳しく解説しています。

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