持続化補助金を建設業で活用する方法!採択されるコツも紹介

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、個人事業主や経営者の地道な販路開拓や業務改善の取り組みを支援する為の補助金制度です。対象者には建設業社も当然含まれますが、補助を受ける為の条件や事業計画の審査もあります。本記事では持続化補助金を建設業で活用する為の方法をどこよりもわかりやすく紹介していきます。

本記事のポイント


 従業員20人以下の建設業社は活用可能

 販路開拓に資する経費は幅広く補助対象

 補助率2/3で補助額は最大100万円


小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)とは、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することで、小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金です。

主な特徴として、対象者が非常に広く利用しやすく、販路開拓に資する経費であれば幅広い経費が対象になる点や、補助率が2/3と大きくかつ最大補助額が50万円(新規創業者など一定条件を満たせば100万円)と比較的大きい点も魅力の補助金です。

もちろん建設事業者の方でも利用可能で、多くの採択事例もあり、ぜひ活用したい補助金になっています。

持続化補助金の特徴

目的小規模事業者の販路開拓の取組を支援する
対象者小規模事業者
対象経費販路開拓に資する経費(幅広い)
補助額最大50万円(条件満たせば100万円)
補助率2/3
採択率40~60%
公募期間通年

補助対象者
補助対象者である小規模事業者とは、雇用する従業員の数で決まります。事業の業種によって5人~20人とその基準人数に違いがありますが、建設業社の場合は20人以下であれば小規模事業者に該当します。そのため、多くの建設業社は持続化補助金を利用が可能になります。

補助対象経費
補助の対象となる経費ですが、販路開拓やその為に実施する業務効率化に要した経費が対象となり、比較的幅広い経費が対象となります。例えば、販路拡販のためのチラシやパンフレット、ホームページの作成費用や、PRイベントの出店費用、新商品を陳列する棚や店舗の改装費用、さらには業務効率化の為の機械装置やITツールなどが対象となります。建設業社での具体例は後程詳しく紹介します。

補助額
補助額は実際にかかった経費の2/3が補助されます。また上限額が決まっており最大50万円までとなっています。例をあげますと、販促の為のチラシ・パンフレット作製に90万円かかった場合、その2/3である60万円が補助対象額となりますが、上限を超えている為、上限いっぱいの50万円が補助額ということになります。

なお、設立2年以内の事業者は上限が100万円に引き上げられる特例もありますので、新設事業者は特に積極的に取り組みたい補助金となります。

持続化補助金の申請から受取までの流れ

持続化補助金を活用する流れはおおよそ以下の通りの手順となります。

①「経営計画書」および「補助事業計画書」の作成
②「①」で作成した書類を商工会議所に提出し「事業支援計画書」の交付依頼
③ 商工会議所から「事業支援計画書」の受取
④ 他提出物と併せて郵送または電子申請
⑤ 採択・不採択の審査および決定
⑥ 採択決定後、計画に沿った取組の実施(経費の使用)
⑦ 取組実施報告書の提出
⑧ 報告書の確認
⑨ 補助金の請求・受領

まずは販路開拓の取組について計画書を作成し、商工会議所に確認をしてもらう必要があります。そこで商工会議所の確認を受けた証明をもらい、それらと他必要書類を揃えてはじめて申請が行えます。申請後、無事採択がされれば、実際に取り組みを実施し、その内容を報告することで、ようやく補助金を受け取ることが可能となります。

注意点その1.商工会議所の承認を受ける
持続化補助金の申請で特徴的なのが、必ず商工会議所の確認を受ける必要があるという点です。計画書を作成したあと、地域の商工会・商工会議所に出向き、経営計画書と補助事業計画書を内容を確認してもらい、「事業支援計画書」の交付を受けなければなりません。この事業支援計画書は商工会議所によって発行にかかる日数が異なりますので、締切日には余裕をもって依頼するようにしましょう

注意点その2.必ず採択されるわけではない
またこれも誤解されやすい点ですが、持続化補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。取組の有効性や実現性などを審査され、採択か不採択かが決まります。補助金の趣旨目的に合致した取組であることが大前提で、また計画書の内容やデキも採択率に直結する大切な要素となります。

採択率の推移
採択率は第1回はほぼ採択されるほどの通過率の高さでしたが、2回目以降は50%程度に落ち着いており、1/2の確立で採択されるような通過率となっています。

締切採択率
第1回締切(2020/ 3/31締切)90.9%
第2回締切(2020/ 6/ 5締切)65.1%
第3回締切(2020/10/ 2締切)51.6%
第4回締切(2021/ 2/ 5締切)44.2%
第5回締切(2021/ 6/ 4締切)53.9%

建設業社の採択例

持続化補助金は建設業社の採択例も多く存在します。例えば以下のような経費があげられます。

  • 新規顧客獲得のためのHP、チラシ等の作成
  • ホームページとリーフレット作成による地域密着PR
  • ドローンを用いた家屋点検による販路拡大
  • 創業100年を記念したPR動画の作成
  • 事務所改装による新規顧客獲得
  • PR看板設置による新規顧客の開拓
  • 最新機材導入による受注体制強化で販路拡大

ポイントはその全てが販路拡大を目的とした取組であり、事業者の売上アップにつながる投資である点です。補助金の趣旨目的に合った取組をしている多くの建設業社が補助金の支援をうけ事業を加速させています。

今後の公募スケジュール

今のところ持続化補助金は基本的には通年で募集がある補助金という位置づけに実質的にはなっており、現在第7回までの公募締め切りが公表されています。次の応募チャンスである第7回受付は2022年2月4日(金)が締切の予定です。

詳しくは「小規模事業者持続化補助金公式HP」でご確認ください。

なお、第8回以降のスケジュールは今後発表される予定になっています。

採択されるために重要な事!

建設業社が持続化補助金を活用する為には、まずは取り組みを補助事業として採択してもらう必要があります。採択されるためは以下の点に注意して、採択されやすい事業計画書を作成できるかがポイントとなってきます。

販路開拓につながる取組である事
必ず意識しなければならない点が「販路開拓」につながる取組であるという点です。例えば最新の工具を購入したいとしても、その工具の導入により「販路開拓」につながらないのであれば、本補助金の趣旨目的とは合致しないため、採択の可能性は低くなります。その工具により新たな施工が可能になり、今までお断りしていたお客様の仕事も取れるようになる、といった理由が少なくとも必要になってきます。

数字などの具体的な根拠がある事
取組の計画書を見たときに、具体的かつ現実的なストーリーが説得力のある根拠を基に描かれていればいるほど、採択の可能性は高くなります。「現在〇〇という課題があり、△△という取り組みをすれば◇◇から××程度の受注が可能になる」という話を、はじめてその事業者のことを知る審査員が見てもスッと理解し納得ができる計画書を目指しましょう。

売上アップにつながる事
これは意外と軽視されがちですが、取組により売上アップにつながるという事は大前提として、具体的にこの程度の売上アップが見込めるという具体的な着地まで想定できていると採択の可能性はぐっと高まります。国が補助金を事業者に支援する目的は、究極的には支援した事業者の売上があがり、それが所得税や法人税として国に還元されることを期待しているからです。事業者の売上に繋がるか不明な取組に国は補助金を出すことをありませんので、その点の意識はしっかりと持つようにしましょう。

まとめ

以上、ここまで建設業社が持続化補助金を活用する方法についてご紹介しました。

持続化補助金は活用できる対象者とその対象経費が比較的幅広く、また金額も大きい事から建設業社も積極的に活用していきたい補助金になります。特に設立初期の販路開拓には非常に親和性の高い補助金になりますので、活用が見込める方はぜひ挑戦されることをオススメします。

また持続化補助金以外で建設業社が活用できる補助金情報について知りたい方は以下の記事も参照ください。
建設業社におすすめの補助金3選!最大1000万円も!

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