建設業者にオススメの資金調達方法を専門家が解説!

建設業を経営する上で絶対に避けては通れないのがお金の問題です。手持ち資金が多ければ多いほど会社経営は安定し、次の事業への投資によって成長を加速させることが可能です。本記事では経営者様の永遠のテーマである資金調達方法について、建設業者様向けにオススメの方法に絞って資金調達の専門家が徹底解説します。

本記事のポイント


 事業ステージに適した調達方法が重要

 複数の金融機関と付き合う事が大切

 借入れを避けたい時はファクタリング


建設業の特徴と資金調達の重要性

まず最初に建設業の特徴から資金調達がいかに重要かを考えてみましょう。建設業界は以下のような特徴があり資金繰りにおける課題が発生しやすい素地があります。

・工事1件ごとにかかる金額が高額
・工事完成まで売上が立たないケースが多く工期も長い
・材料費や人件費、外注費など支払いが先行しやすい

上記の特徴から先行して資金が必要になるケースが非常に多く、特に大規模工事になるとある程度手持ち資金がないと受注自体が難しくなります。その為、建設業経営において資金調達は事業の運営拡大において非常に重要になってくるのです。

建設業者にオススメの資金調達(ステージ別)

それでは建設業者にオススメの資金調達方法をご紹介していきます。少しでも良い条件(低金利・無担保無保証・長期借入)で資金調達をするためには、会社ごとの事業ステージと信用力に合わせた適切な借入先の選定が非常に重要になります。まずは会社の事業ステージ別に絶対に抑えておきたい資金調達方法をご紹介します。

創業期のオススメは日本政策金融公庫

まず創業期に絶対に活用したいのが「日本政策金融公庫」の新創業融資制度です。日本政策金融公庫は政府系の金融機関で様々な融資が用意されていますが、特に創業融資は創業後すぐの会社でも低金利(1.5~3.0%)・無担保無保証で融資を取りやすい特徴があります。信用力が低く民間の金融機関から相手にされにくい創業間もない経営者の強い味方です。

またこの創業融資制度は建設業者と非常に相性が良いのもオススメの理由です。日本政策金融公庫は融資時に、創業する事業の「経験」を重視します。建設業で独立しようとされる方は必ずある程度の「下積み」を経験されているはずですのでその点を評価してもらいやすいです。

日本政策金融公庫

特徴低金利・無担保無保証で融資が取りやすい
タイミング創業時や創業後2年以内
オススメ新創業融資制度
詳細日本政策金融公庫HP

安定期のオススメは信用保証制度の活用

事業が軌道に乗り出し追加で融資を受けたい場合にオススメなのが信用保証制度を活用した資金調達です。信用保証制度とは、金融機関から融資を取りたい事業者が、公的機関である信用保証協会から「信用保証」をもらうことで、その融資の採択や融資枠の拡大を図れる仕組みです。

その仕組みは以下の図で示すように、金融機関に融資を申請する事業者が、信用保証協会に保証料を支払うことで、保証協会が金融機関に対して万が一事業者が借金を返せなかった際などに代わりの支払いを約束してくれます(代位弁済)。そのことにより、金融機関も事業者に融資がしやすくなります。

shinnyouhosyou
引用:全国信用保証協会連合会HP

活用方法
信用保証協会は各都道府県にありますが、多くの場合は融資を申請する金融機関を通じて保証協会の保証制度の活用を検討します。その為、融資を申請したい地銀や信用金庫で融資の相談をすれば、多くの場合は金融機関側から信用保証付きの融資を提案されます。この信用保証制度を活用した資金調達のメリットは、地方銀行や信用金庫との繋がりを持つことができる点にあり、この後ご紹介するプロパー融資への足掛かりにするためにも重要な資金調達方法といえます。

信用保証制度

特徴信用保証協会の保証により金融機関から融資が取りやすくなる
タイミング創業時~安定期
オススメ信用保証制度
詳細信用保証協会連合会HP

目指すべきはプロパー融資

事業の創業期・安定期を経ると金融機関との付き合いがどんどんと深まっていきます。その中で最終的に目指したいのがプロパー融資と呼ばれるいわゆる「信用保証無し」で民間金融機関から直接受ける融資です。前述した信用保証制度を利用した資金調達のデメリットとして、保証枠(保証を受けられる借入額の上限)が決まっている点があげられます。その為、大規模工事を高額の資金が必要になった場合、信用保証枠を超えてしまうことも考えられます。

その為、建設業者はこの借入額の上限を気にせず、希望額を満額プロパー融資で調達できるようになることが、事業拡大を見据えた際に重要になってきます。プロパー融資は他にも以下のようなメリットがあり、借入事業者によっては非常に有効な資金調達方法といえる一方、貸す側の金融機関には貸し倒れのリスクがあるため、審査は厳しい傾向にあります。

メリット(信用保証付き融資との比較)
・金利が安い(1%以下のケースも有)
・保証料がかからない
・融資実行までが早い
・融資上限がない(金融機関の自由)

プロパー融資

特徴信用保証協会が関与しない金融機関から直接借り入れる融資
タイミング安定期~拡大期
オススメ地元の地方銀行や信用金庫
詳細各金融機関による

金融機関と付き合い方は非常に重要

事業経営において金融機関との付き合いは非常に重要で、特に急な資金調達などの必要性が生じやすい建設業者は複数の借入先を確保しておくことは極めて重要です。金融機関との付き合いを深め資金調達をスムーズに行うために重要な方法や考え方をご紹介します。

①複数の金融機関を付き合うようにする
事業者は必ず複数の金融機関と付き合いを持った方が良いです。複数の金融機関と付き合うメリットは、それだけ多くの資金調達先を確保できるだけでなく、有利な条件で融資を取りやすくなる点もポイントです。金融機関は顧客の確保を競合他社と日々争っているので、他社が自社より有利が条件で融資を提示していた場合、さらに有利な条件を提示してくれる可能性もあります。

②創業期から複数の金融機関から融資を受ける
創業時は最も融資を受けやすいタイミングです。その時に複数の金融機関から融資を受けることでつながりを持つことが可能です。少なくとも日本政策金融公庫と民間の金融機関(地元の地銀か信金)の2社から融資を受けることをオススメします。

③「信用」をつくるという考え方が重要
資金調達をスムーズにするためには普段から金融機関に対して「信用」をつくっておくという考え方が極めて重要です。事業が苦しくなった時にだけ金融機関に助けを求めても融資をしてくれる機関は少ないです。事業がうまくいっている時にこそあえて借り入れをし、融資を通じて「信用」を作っておくという考え方も重要です。

建設業者が使いやすいその他の資金調達方法

ここからは融資以外にも建設業者が使いやすい資金調達方法を紹介していきます。近年クラウドファンディングをはじめ多様な資金調達方法が利用されるようになっていますが、その中でも建設業界の特徴から考えて資金調達方法として最適なモノをピックアップしてご紹介します。

ファクタリング

ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権等を期日前に一定の手数料を付して買い取るサービスのことで、法的には債権の売買(譲渡)契約にあたります。例えば、すでに竣工し請求済の完成工事高1,000万円の売掛債権をもっていたとして、その振込期日が1ヶ月後だった場合、その債権を一定の手数料を支払いファクタリング会社に譲渡することで、すぐに1,000万円をファクタリング会社から受け取ることができる仕組みです。

このファクタリングは債権を最短で資金化できる点や、売掛先の信用力が審査されるため自社の信用が低くても利用できる点など融資にはないメリットが多くありますが、特に以下の点から建設業者には相性が非常に良い資金調達方法といえます。

工事債権はファクタリング会社から人気が高く好条件で資金化しやすい
工事債権は1件当たりの金額が高額で、大手ゼネコンなど売掛先の信用力が高いケースも多いためファクタリング会社からの人気が高いです。その為、個人事業主などでも利用可能な会社が多く、手数料も比較的低く成約するケースがあります。

借入では無いため経審への影響がない
公共工事に参加する建設業者の場合、融資を組むと借入額が増え経営事項審査の点数が下がってしまう大きなデメリットがあります。一方ファクタリングは借入れではなくあくまでも債権の売買(譲渡)ですので、経審の点数に一切影響が出ません(ファクタリングはもらえるお金を先にもらうという考え方です)。

2社間ファクタリングを使用すれば取引先に知られない
建設業者は特に下請け業者の場合、得意先や元請との関係性が仕事を取るうえで非常に重要になります。ファクタリングは、債権保有者から債権を買い取ったファクタリング会社が売掛先に債権を請求する3社間ファクタリングと、売掛先には請求せずに、債権保有者が売掛先から債権回収後に債権保有者から回収する2社間ファクタリングがあります。後者である2社間ファクタリングであれば売掛先にファクタリングを利用したことが知られることが無いため、取引先との関係性に影響が出ることがありません。

ファクタリングの種類

ファクタリング図解

建設業者に特化したファクタリング会社も存在しており、建設業者からの相談は懇意にしてくれる会社は多いです。興味のある方は下記記事でオススメのファクタリング会社も紹介していますので参考にしてください。

>>建設業者にオススメのファクタリング5選!

ファクタリング

特徴借入れ(負債)にならない資金調達方法
タイミング債権を早期に資金化したい時
オススメ各種ファクタリング会社
詳細オススメのファクタリング会社紹介記事

地域建設業経営強化融資制度

地域建設業経営強化融資制度も非常にオススメの資金調達方法です。この融資制度は通常の融資とファクタリングの中間のような位置づけのもので、公共工事や公共性のある民間工事(インフラ系・病院施設等)を請け負った元請業者がその出来高部分に応じて融資を受けれる制度です。

ファクタリングのメリットである無担保・無保証かつ低金利で工事債権を迅速に資金化できるメリットがあり、またこの地域建設業経営強化融資制度での借入れ金については、経営事項審査の負債額から控除することが可能になる点も非常に魅力的です。ファクタリングと違い公共工事や公共性のある民間工事を請け負う元請業者しか活用できない点がネックですが該当する場合は活用をぜひ検討したい資金調達方法になります。

地域建設業経営強化融資制度
引用:建設業振興基金HP

地域建設業経営強化融資制度

特徴無担保・無保証かつ低金利で完成工事高の範囲で融資可能
タイミング公共工事の元請業者で債権を早期に資金化したい時
オススメ地域建設業経営強化融資制度
詳細建設業振興HP

ランドデータバンク「立替・決済サービス」

最後にオススメするのが株式会社ランドデータバンクが提供する「立替・決済サービス」です。このサービスは純粋な資金調達ではありませんが、資金調達の目的である資金繰りの改善に大きく役立ち、資金調達自体を不要にすることが可能になります。

この立替・決済サービスを利用すれば、工事に必要な資機材の支払いをランドデータバンクが立替してくれ、工事業者は工事完成後に一括してランドデータバンクに立替分を支払うことで決済が完了します。建設業に特化したサービスの為、立替期間も最長10ヶ月と長く、立替金額も最大1億円と高額です。

入会費・年会費は無料で手数料も工事規模に関わらず一律と非常に利用しやすいサービスになっています。株式会社ランドデータバンクはコマツ、SMBCグループなどが共同で設立した会社であるため経営基盤の信用度が高い点も安心材料です。

ランドデータバンク
引用:株式会社ランドデータバンク

株式会社ランドデータバンク

特徴工事の資機材費用を完成まで立替てもらえる
タイミング資金の流出を抑えながら工事を請け負いたい時
オススメ立替・決済サービス
詳細株式会社ランドデータバンクHP

最後に…法人化や建設業許可の重要性

特に銀行融資などの場においては、法人化や建設業許可の有無は融資結果を左右する常用な要素になることがあります。

個人事業主が金融機関である程度の金額を融資申請すると、法人化や建設業許可の取得を融資条件として提示されることがあります。元金近い自己資金があれば話は変わりますが、おそらくそういったケースはあまりないでしょうから、金融機関も信用の裏付けとしてそれらの条件を付けてくるのです。

法人化や建設業許可の取得は初めての方であればかなりややこしい手続きになりますので、速やかに申請しそれらを完了させるには行政書士などの専門家に依頼することをオススメします。なお、当ホームページを運用する「イロドリ行政書士事務所」は法人設立から建設業許可取得までをワンストップでお手伝い可能です。また資金調達のサポートもさせて頂くことも可能ですので、ご興味ある方はぜひ一度以下からご相談頂ければと思います(相談は無料です)。

>>お問い合わせ・相談はコチラから

建設業者にオススメの資金調達方法まとめ

以上、ここまで建設業者にオススメの資金調達方法について紹介してきました。

建設業者にとって資金繰りは永遠の課題でもあります。資金調達に強みがある会社はスムーズな資金繰りができ経営が安定しやすいだけでなく、大規模な工事の受注や多少の工期の遅れも恐れることなく積極的な工事受注が可能になります。

今資金に困っていなくても、常に資金調達については意識をしアンテナを張っておくことが経営者として大事な姿勢だといえるでしょう。

kyoka-2

samune