役員等に変更があった場合【建設業許可の変更届の書き方】

建設業者の役員等が死亡や退職により急に欠けた場合や、就退任があった場合、許可業者はその旨を届け出る必要があります。

「どうやって届け出れば良いの?」

「いつまでに届け出る必要があるの?」

「届け出なければどうなるの?」

そんな疑問やお悩みがありませんか?

取得した建設業許可を維持するには「役員等」の変更管理(届け出)は非常に重要なポイントです。

ここでは役員等になにか変更があった際に、許可業者がしなければならないことを徹底解説します。

本記事のポイント


 役員の就退任や氏名変更があった場合届け出が必要

 届け出は変更があった日から30日以内が原則

 役員が経営業務の管理責任者の場合は要注意


役員等に変更があった場合は30日以内に届け出が必要

建設業許可の保有業者は、自社の役員等に変更があった場合、30日以内に変更届を許可行政庁に提出しなければいけません。

役員等の変更は下記のような変更が該当します。

役員等の変更にあたるケース(届け出が必要)

・役員が退職した場合
・新任の役員を立てた場合
・役員の氏名が変わった場合 など
なお、ここでいう「役員等」に該当するものは下記になります。
※「役員等の一覧(様式第一号別紙一)」の記載対象となっている人物が該当します
・取締役
・執行役
・業務を執行する社員
・法人格を有する組合などの理事
・相談役
・顧問
・株主等
※株主等が変更になる場合は、提出書類などの論点が増える為「株主等が変更になった場合」のページで詳しく解説しています。

届け出をしていないと罰則規定の対象になることも

必要な届け出をしていない場合どうなってしまうのでしょうか?

しなければいけない届け出をしていない場合、、、

・許可の更新や業種追加、また経営事項審査の申請を受け付けてもらえなくなる
・場合によっては罰則規定(建設業法第50条等)により、許可取消や罰金、懲役の対象になる

許可の更新時などに変更届を出していないことが発覚した場合は、さかのぼって届け出を出す事が可能なケースもありますが、省略はできませんので、想定していた申請スケジュールから大幅に遅れが出てしまうことになります。

また罰則規定で罰金や懲役が下されると、そこから許可が5年間受けられなくなるなど、大変な事態に発展しかねないので、届け出忘れないように必ず期限内に提出するよう心がけましょう。

届け出が必要な変更とそれぞれの提出書類を具体的に解説

では、実際に届け出が必要な変更と、それぞれのケースで提出が求められる届け出書類を見ていきましょう。

届け出が必要な変更事由

役員等の・・・
①就任があった場合
②退任があった場合
氏名が変更になった場合

①役員等の就任があった場合

役員等に新しく就任が場合は届け出が必要です。
ちなみにこのケースは下記などがあげられます。

・役員等が退職や死亡で欠けた為、後任をたてた
・役員等を増員する為、新任をたてた

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
・誓約書(様式第6号)
・許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号)
※変更届出書は第一面と第二面の2種類あるが、役員等の変更の場合、第一面のみ使用
確認書類
①商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書・就任の事実が確認できる事)
②登記されていないことの証明書
③身分証明書(市町村長の証明書)
※就任する役員が「相談役」「顧問」「株主等」の場合は不要

②役員等の退任があった場合

役員等の退任があった場合も届け出が必要です。
ちなみにこのケースは下記などがあげられます。

・役員等が退職や死亡で欠けた
・役員等が辞任したもしくは解任をした

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
確認書類
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書・退任の事実が確認できるもの)
※就任する役員が「相談役」「顧問」「株主等」の場合は不要
なお、役員等の退任に伴い、経営業務の管理責任者も変更になる場合は、別途その旨を届け出る必要があります(詳細は下記参照)。
またこの場合は、新しく後任を立てないと許可自体が取り消されるので注意が必要です。
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③役員等の氏名が変更になった場合

役員等が結婚などで氏名が変わった場合も下記書類によって届け出をする必要があります。

必要な書類
・変更届出書(様式第22号の2)
・役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
確認書類
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書・退任の事実が確認できるもの)
※就任する役員が「相談役」「顧問」「株主等」の場合は不要

【記入例あり】変更届出書(様式二十二号の二)の書き方

役員等が変更になった際に必要な「変更届出書」の書き方を記入例とともに解説していきます。
※記入方法は各自治体によって多少異なるケースがあります

記入例

※記入例はわかりやすく赤字で記載していますが、申請で認められているのは黒インクのみです。

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① 届け出の内容

届け出の内容は「4.役員等の氏名」選択し丸を付けます。
各種届け出を同じ書式で行う為、何の変更届なのかがわかるようにするためです。

② 日付

届出日を記入する為、作成時は空欄にします。

③ 宛名

提出先(許可権者)を記入します。
該当しないものは線を引いて消します。

④ 届出者

本店の所在地、商号又は名称、代表者氏名を記入し、代表者印を押印します。

なお、本書類以外に提出するその他の届出書内の届出者印は、必ずここで押印したものと同一印を押印するようにします。
※印鑑証明が求められる場合があります

また法人で登記上の住所(個人は住民票の住所)と、実際に営業している住所が異なる場合は、住所を二段に分けて記載します。

(登記上)大阪市・・・
(事実上)○○市・・

⑤ 許可番号 [項番35]

保有する許可に関する情報(「大臣知事コード」「許可番号」「許可年月日」)を記入します。

「大臣・知事コード」は、「建設業法施行規則」の別表一の分類に従い、許可を受けている行政庁について該当するコードを記入しましょう(下記表参照)。

大臣・知事(別表一)
00国土交通大臣12千葉県知事24三重県知事36徳島県知事
01北海道知事13東京都知事25滋賀県知事37香川県知事
02青森県知事14神奈川県知事26京都府知事38愛媛県知事
03岩手県知事15新潟県知事27大阪府知事39高知県知事
04宮城県知事16富山県知事28兵庫県知事40福岡県知事
05秋田県知事17石川県知事29奈良県知事41佐賀県知事
06山形県知事18福井県知事30和歌山県知事42長崎県知事
07福島県知事19山梨県知事31鳥取県知事43熊本県知事
08茨城県知事20長野県知事32島根県知事44大分県知事
09栃木県知事21岐阜県知事33岡山県知事45宮崎県知事
10群馬県知事22静岡県知事34広島県知事46鹿児島県知事
11埼玉県知事23愛知県知事35山口県知事47沖縄県知事

「許可年月日」は、複数の許可を受けている場合は、現在有効な許可日のうち最も古いものを記入しましょう。

⑥ 法人番号 [項番36]

国税庁から指定された法人番号を記入します。
なお、法人番号は「国税庁 法人番号公表サイト」で検索できます。

 

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⑦ 届出事項

変更があった事項を具体的に記入します。
役員等の変更があった場合は、「役員等の氏名」と記入します。

⑧ 変更前

届出事項に応じて、変更前の役員等の氏名や業種を記入します。

⑨ 変更後

届出事項に応じて、変更後の役員等の氏名や業種を記入します。

⑩ 変更年月日

変更があった年月日を記入します。
届出日前30日以内である事を確認しましょう。

⑪ 備考

補足や詳細があれば記入します。
役員等の就任、退任などわかりやすいように記入しましょう。

 

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⑫ 代表者又は個人の氏名

役員等の変更に伴い代表者に変更がある場合にのみ記入します。
フリガナは濁点を1文字として扱いません(「ギ」の場合「キ」「゛」に分けず「ギ」で1マス)。

なお、代表者の変更が無い場合は空欄でOKです。

⑬ 連絡先

この申請書の内容に係る質問等に応答できる者の氏名、 電話番号等を記載します。

また、行政書士による代理申請の場合は、行政書士職印を押印します。

役員等に変更があった場合まとめ

商号又は名称に変更があった場合は、その日から30日以内にその旨を許可行政庁に届け出なければなりません。

これを怠っても、ただちに許可を取り消されるわけではありませんが、だすべき変更届が提出されていなければ、許可の更新などの受付をしてもらえなくなります。

ただし、役員等の変更に伴って「経営業務の管理責任者」が変更になっている場合は、14日以内にその旨を届け出る必要があり、また後任が立てられていなければ許可が取り消されるので、注意しましょう。

なお、役員等と同様に、変更があった際に届け出が必要な事項は他にも沢山あります。
他の事項についても知りたい方は、下記記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。

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