建設業許可を持っている業者が、その資本金額を変更した場合、その内容を許可行政庁に報告する義務があります。
「いつまでにどうやって報告すれば良いかわからない・・・」
「報告していなかったらどうなるの・・・?」
そんなお悩みや疑問をお持ちではありませんか?
取得した許可を維持する為には、各種の変更管理(届け出)は非常に重要なポイントになります。
ここでは資本金額に変更があった際に、許可業者がしなければならない事を徹底解説します。
この記事を読めば・・・!
・変更届出書が書けるようになる!
資本金額に変更があった場合は30日以内に届け出が必要
建設業許可の保有業者は、自社の資本金額に変更があった場合、30日以内に変更届を許可行政庁に提出しなければいけません。
資本金額の変更は下記のような変更が該当します。
資本金額の変更にあたるケース(届け出が必要)
・資本を減資した場合
届け出をしていないと罰則規定の対象になることも
必要な届け出をしていない場合どうなってしまうのでしょうか?
しなければいけない届け出をしていない場合、、、
・場合によっては罰則規定(建設業法第50条等)により、許可取消や罰金、懲役の対象になる
許可の更新時などに変更届を出していないことが発覚した場合は、さかのぼって届け出を出す事が可能なケースもありますが、省略はできませんので、想定していた申請スケジュールから大幅に遅れが出てしまうことになります。
また罰則規定で罰金や懲役が下されると、そこから許可が5年間受けられなくなるなど、大変な事態に発展しかねないので、届け出忘れないように必ず期限内に提出するよう心がけましょう。
届け出に必要な提出書類を解説
では、届け出をする為に必要な提出書類について解説していきます。
届け出に必要な提出書類
商業登記簿謄本(発行日から3か月以内の原本で、変更前後の内容が確認できるもの)
※印鑑証明が必要な場合はあります
【記入例あり】資本金額を変更した際の「変更届出書」の書き方
では届け出の際に提出を求められる「変更届出書(様式第22号の2)」の書き方について、記入例とともに解説していきます。
※記入方法は各自治体によって多少異なるケースがあります
記入例
※記入例はわかりやすく赤字で記載していますが、申請で認められているのは黒インクのみです。
① 届け出の内容
届け出の内容は「3.資本金額」を選択し丸を付けます。
各種届け出を同じ書式で行う為、何の変更届なのかがわかるようにするためです。
② 日付
届出日を記入する為、作成時は空欄にします。
③ 宛名
提出先(許可権者)を記入します。
該当しないものは線を引いて消します。
④ 届出者
本店の所在地、資本金額、代表者氏名を記入し、法人の場合は代表者印を、個人の場合は個人員を押印します。
なお、本書類以外に提出するその他の届出書内の届出者印は、必ずここで押印したものと同一印を押印するようにします。
※印鑑証明が求められる場合があります
また法人で登記上の住所(個人は住民票の住所)と、実際に営業している住所が異なる場合は、住所を二段に分けて記載します。
(事実上)○○市・・
⑤ 許可番号 [項番35]
保有する許可に関する情報(「大臣知事コード」「許可番号」「許可年月日」)を記入します。
「大臣・知事コード」は、「建設業法施行規則」の別表一の分類に従い、許可を受けている行政庁について該当するコードを記入しましょう(下記表参照)。
大臣・知事(別表一) | |||||||
00 | 国土交通大臣 | 12 | 千葉県知事 | 24 | 三重県知事 | 36 | 徳島県知事 |
01 | 北海道知事 | 13 | 東京都知事 | 25 | 滋賀県知事 | 37 | 香川県知事 |
02 | 青森県知事 | 14 | 神奈川県知事 | 26 | 京都府知事 | 38 | 愛媛県知事 |
03 | 岩手県知事 | 15 | 新潟県知事 | 27 | 大阪府知事 | 39 | 高知県知事 |
04 | 宮城県知事 | 16 | 富山県知事 | 28 | 兵庫県知事 | 40 | 福岡県知事 |
05 | 秋田県知事 | 17 | 石川県知事 | 29 | 奈良県知事 | 41 | 佐賀県知事 |
06 | 山形県知事 | 18 | 福井県知事 | 30 | 和歌山県知事 | 42 | 長崎県知事 |
07 | 福島県知事 | 19 | 山梨県知事 | 31 | 鳥取県知事 | 43 | 熊本県知事 |
08 | 茨城県知事 | 20 | 長野県知事 | 32 | 島根県知事 | 44 | 大分県知事 |
09 | 栃木県知事 | 21 | 岐阜県知事 | 33 | 岡山県知事 | 45 | 宮崎県知事 |
10 | 群馬県知事 | 22 | 静岡県知事 | 34 | 広島県知事 | 46 | 鹿児島県知事 |
11 | 埼玉県知事 | 23 | 愛知県知事 | 35 | 山口県知事 | 47 | 沖縄県知事 |
「許可年月日」は、複数の許可を受けている場合は、現在有効な許可日のうち最も古いものを記入しましょう。
⑥ 法人番号 [項番36]
国税庁から指定された法人番号を記入します。
なお、法人番号は「国税庁 法人番号公表サイト」で検索できます。
⑦ 届出事項
変更があった事項を具体的に記入します。
「資本金額」と記入すればOKです。
⑧ 変更前
変更前の資本金額を記入します。
⑫の「資本金額又は出資総額」の欄が千円単位の為、本項目も千円単位で記入しましょう。
⑨ 変更後
変更後の資本金額を記入します。
上記同様に千円単位で記入しましょう。
⑩ 変更年月日
変更があった年月日を記入します。
届出日前30日以内である事を確認しましょう。
⑪ 備考
変更事項について補足や詳細があれば記入します。特に空欄でも構いません。
⑫ 資本金額又は出資総額(項番44)
変更後の資本金額を記入します。
単体は千円ですので注意しましょう。
⑬ 連絡先
この申請書の内容に係る質問等に応答できる者の氏名、 電話番号等を記載します。
また、行政書士による代理申請の場合は、行政書士職印を押印します。
資本金額に変更があった場合まとめ
資本金額に変更があった場合は、その日から30日以内にその旨を許可行政庁に届け出なければなりません。
これを怠っても、ただちに許可を取り消されるわけではありませんが、出すべき変更届が提出されていなければ、許可の更新などの受付をしてもらえなくなります。
また資本金の増資や減資が起きる場合は、同時に株主の変更が起きるケースもあります。
その場合は、別途株主に変更があった旨も変更届によって報告する義務がありますので注意が必要です。
なお、資本金額と同様に、変更があった際に届け出が必要な事項は他にも沢山あります。
他の事項についても知りたい方は、下記記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。
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